世界史の先生は授業で飛ばすのに入試では頻出の中央ユーラシアと遊牧民の世界および東南アジアを中心とする大交易時代、共通テスト、私立一般、国立二次試験に向けてリンク集を作りました。
中央ユーラシアでは2022年の東京大学の「東西トルキスタンの展開」、2021年の上智大学TEAP方式の「ロシアのカフカースとトルキスタンへの進出」など、近年この範囲が最近入試で頻出です。
強力な火力や内燃機関が発明されるまでは最強の軍事集団であった騎馬遊牧民の側から「グローバルヒストリー」を読み直し、西洋中心史観や中国中心史観を再考するのが、大学歴史学の関心事のひとつです。
海域では2003年の東京大学の「銀のネットワーク」以来、東南アジアの大交易時代、明代の朝貢体制の弛緩、大航海時代を結び付けて考える出題が定番化しています。
共通テスト(追試・試行問題含む)にもソグド人や中国の陶磁器の話が出ていました。グラフ問題が作りやすいのは19世紀以降のグローバル化ですが、この辺もチェックしておきましょう。ラストスパートのお供にしていただければ幸いです。
なお関連する入試問題については、サイト内の検索で「ソグド人」などワード検索してみてください。
参考1
参考2
1 中央ユーラシア編
(1) スキタイと匈奴
古い教科書には「スキタイ文化が東に広がった」とありますが、モンゴル高原から現ウクライナに至る草原地帯には同時期に同じような文化が広がっていました。匈奴は京都大学、名古屋大学で出題。
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(2) 鮮卑と拓跋国家
騎馬遊牧民の文化を保持しながら農耕地帯に進出し、農耕世界と遊牧世界の境界面に新たな政治文化が育まれます。道教と仏教は京都大学で出題。「六鎮の乱」は世界史探究の教科書には登場しています。
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(3) 突厥とウイグル、ソグド人
突厥と唐はユーラシアに大帝国を築き、ソグド人が交易・外交・軍事で彼らを支えます。ソグド人は入試頻出で、論述では京都大学の問題が有名。
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(4) 沙陀突厥・契丹・タングート・女真
下剋上が吹き荒れ、騎馬遊牧民たちはある時は戦い、ある時は同盟や臣従関係を結ぶ、まさに戦国時代です。かつて名古屋大学で「沙陀突厥」を書かせる問題がありましたが無理ゲー。
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(5) モンゴルの世紀
モンゴルが遊牧民を糾合して大帝国を形成、ユーラシアの一体化が進みます。ここまで騎馬遊牧国家が蓄積してきた政治・経済システムが開花します。東京大学、大阪大学で出題。大阪大学のモンゴル推しは有名。
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(6) オイラト・タタール・女真
モンゴル帝国解体後も「チンギス=ブランド」は絶大で、チンギスの家系と、モンゴルで広く信仰されるチベット仏教の保護者の地位をめぐって争いが続きます。「ジュンガル部」は最近入試でよく見かけます。
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(7) モンゴルの後継国家と19世紀のユーラシアの周辺化
トルキスタンでも「チンギス=ブランド」は健在、チンギス家を名目上のハンとして自らは「婿殿」を名乗る武将が勢力争いを繰り広げます。しかし18世紀以降、東からは清が、西からはロシアが中央ユーラシアを蚕食します。東京大学で出題。
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(8) チベット
慶応大学経済学部でイギリス・清・チベットの交渉が出題されました。個人的は「シムラ会議」が頭から離れません。
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2 海域編
(1)宋代 江南の発展
中国商人がジャンク船で東南アジアに進出。三仏斉の来朝、後期チョーラ朝がシュリーヴィジャヤに遠征軍を送り宋に使節を送ったことなどもリード文で見かけます。
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類似回
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(2)明代 海禁と緩和
いわゆる「北虜南倭」は経済発展が進む中、明朝の冊封・朝貢体制に対する周辺部の挑戦といえます。
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類似回
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(3)ヨーロッパの重商主義
大交易時代をヨーロッパ側から。
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(4)台湾
鄭成功は明清交代時期の海域を考える際に重要。彼は江戸幕府にも使いを送り支援を依頼しました。
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受験生の健闘をお祈りします。