ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

入学式直前 「中学生が高校生になる」について考える

高校の合格発表があり、合格者は高校の説明会に参加して各種手続き、教科書などの購入、制服や体操服の採寸を一通り済ませた時期だと思います。後は4月はじめの入学式を待つだけになりました。 私のブログは、高校の教員が生徒の前でどんな話をするか(教科…

新年度に向けて 卒業生の話から「縦の繋がり」について考える(その2)

「縦の繋がり」を作るための卒業生の合格体験談は、担任が卒業生に一対一でインタビューする形(公開面談)で行われています。後半です。 三重大学 教育学部 Q:一年生の時には部活もがんばり成績もよかったが、2年生の時にしんどかった。どうやって乗り切…

新年度に向けて 卒業生の話から「縦の繋がり」について考える(その1)

高校は学年末考査も終わり、そろそろ終業式です。この時期はクラスマッチや次年度の教材販売など年度末の行事が続きます。 私の学校ではこの時期に大学に合格した卒業生が在校生の学年集会で合格体験談を話します。ただ私が2年生の担任をしていたとき、最難…

世界史の入試問題について考える(その4 大阪大学2016)

大阪大学は西洋史や東洋史という枠を超えて、歴史を「関係性」の中で捉える「グローバルヒストリー」を目指しています。私も縁あって阪大の21世紀COEプログラムに参加し、現在阪大や東大の先生が発起人となって設立された高大接続を目指す研究会に参加し…

世界史の入試問題で試されることについて考える(その3 一橋大学2016)

3回目は一橋大学の解答例を考えながら、大学の先生が世界史を通じてどのようなことを受験生に求めているかについて検証します。 このシリーズの意図は、「解答例」の発表が目的ではなく、大学はどのようなことを生徒に求めていて、そのためにどのような準備…

国公立後期試験目前 前期の学習を小論文に利用する

はじめに 国公立大学前期試験の発表が始まりました。仮に不合格だった時に備えて受験生の皆さんは前期終了時点からぬかりなく準備をしていることと思います。 3月下旬まで行き先が決まらないのは精神的に過酷です、いくら「後期まで頑張れ」と担任に励まさ…

フィールドワーク 大津事件について考えるその2

「司法の独立」の話も、当時のやりとりを詳しく見ると違う側面が見えてきます。 事件の電報を受けて東京の政府は大騒ぎになります。津田三蔵をどういう罪で処罰するかが問題になります。この事件に関係する当時の刑法は(現代語に直してあります)次の通りで…

フィールドワーク 大津事件について考えるその1

先日、県の社会科研究会の研修会で大津市歴史博物館に行き、大津事件と津田三蔵について学習しました。また滋賀県立琵琶湖文化館(現在休館中)で滋賀県が保有している大津事件の証拠や関係書類(記念品といいます)を特別に見せてもらいました(こういうと…

高校入試直前 入試で問われる「社会科」の学力について考えるその2

高校入試で問われる社会科の学力について考えます。後編です。 2 歴史分野 日本の歴史を時系列に把握し。歴史的事項の背景や結果がいえる。 大枠 歴史は「文法」に沿って事項が取捨選択されて「ストーリー」になっています。まずはマクロな歴史観を押さえる…

高校入試直前 入試で問われる「社会科」の学力について考えるその1

三月の高校はとにかく忙しいです。卒業生を送り出すと次は高校入試。新しい生徒を迎え入れる準備が始まります。 「公立王国」である私の県も、最近は中学校から県内外の私立に進学したり、往復三時間かけて他地区の有名進学校やスポーツ強豪校に通ったりする…

世界史の入試問題について考える(その2 京都大学2016)

京大は、西洋史二題・東洋(インド・イスラーム含む)史二題、前近代二題・近代以降二題、論述二題・一問一答二題がバーターで出題されます。教科書全範囲が4ブロックの中で何らかの形で問われるようになっています。 私は模擬試験や過去問に難易度とジャン…

卒業式 4月から学生になる人に贈る言葉

今日は高校の卒業式でした。 最近は最後のLHRで生徒が担任に花束やクラス全員のメッセージを記した色紙を渡したり、担任が一年間撮りためた写真をスライドショーにして上映したり、DVDに焼いて渡したりと「メモリアル演出」が増えました。私の学校でも90分以…