ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

2016-01-01から1年間の記事一覧

一年生7月 文理選択について考える(文系編)

多くの進学校では一年生の夏休み前に「文理選択」の話があります。 「文理選択」は二年生で文系、理系、どちらのコースを選ぶかのことです。 現在の大学入試センター試験の選択科目は、文系は地歴・公民から2科目と理科の基礎科目を2科目、理系は地歴・公…

ムササビ?モモンガ?コウモリ?

進路の話題はお休みで普通のブログです。 今日14時頃職場の階段を歩いていたら、踊り場の壁に謎の生命体を発見しました。 後ろ足としっぽの間に皮膜があるのでムササビのようですが。うーん。赤ちゃんですかね。写真を撮っても微動だにしませんでした。 学…

今更聞けない大学入試の基礎知識(4 AO入試、私立の色々な入試方式)

大学入試の基礎知識その4です。 過去ログはこちら 今更他人に聞けない大学入試の基礎知識(その1 国公立大学と私立大学) - ぶんぶんの進路歳時記 今更他人に聞けない大学入試の基礎知識(その2 国公立大学と私立大学の良さ) - ぶんぶんの進路歳時記 今…

今更聞けない大学入試の基礎知識(3 国公立大学と私立大学の推薦入試)

大学入試の基礎知識その3です。 過去ログはこちら 今更他人に聞けない大学入試の基礎知識(その1 国公立大学と私立大学) - ぶんぶんの進路歳時記 今更他人に聞けない大学入試の基礎知識(その2 国公立大学と私立大学の良さ) - ぶんぶんの進路歳時記 最…

今更聞けない大学入試の基礎知識(2 国公立大学と私立大学の入試科目・良さ)

今更聞けない大学入試の基礎知識、国公立大学と私立大学について、続きです。 前半はこちら 今更他人に聞けない大学入試の基礎知識(その1 国公立大学と私立大学) - ぶんぶんの進路歳時記 Q5 国公立と私立って入試科目に違いがあるの? A5 国公立大学の…

今更聞けない大学入試の基礎知識(1 国公立大学と私立大学)

夏休みが近づいてきました。 三年生は夏休み前後の三者面談で、どの大学の何学部を第一志望とするかをあらかた決めます。 第一志望が決まらないと、夏休みの勉強の計画が立ちません。 関西圏の話ばかりで恐縮ですが、文系なら「神戸大学か大阪市立大学か」、…

三年生6月 部活引退後の切り替えについて考える

私の県では五月末はインターハイの県予選のピーク、運動部の多くは最後の公式戦が終了しました。また体育祭も多くの高校は六月の初旬です。 またひとつ、またひとつと行事が終わっていき、それと同時に高校三年生最大の行事=入試が近づいてきます。これから…

世界史の入試問題について考える(付録 東大・一橋の傾向)

ブログの管理画面を見ると、一橋大学の回にアクセスをいただいています。見てくださっている方(「全然だめ」と思われている方を含めて)ありがとうございます。 最初に解答例を作ったときは生徒と同じように制限時間内で作りましたが、だいぶ時間もたったの…

読書の楽しさと図書館の活用について考える

先日学校図書館の研修会があり、「講師の話が面白い」と司書の先生に誘われて参加しました。 講師は大阪の河内長野にある清教学園中・高等学校の探求科、片岡則夫先生です。図書館を核とした系統的な読書指導や総合学習を実践されている方で、ネットを検索し…

世界史の学習法について考える(その4 試験に出やすい用語の法則 難関大学編)

世界史は「膨大な用語を覚える暗記科目」というのは否定できませんが、「こういうことができるようになってほしい」という歴史の「文法」があって、それに基づいて歴史的用語が選択されています。その求められている力から逆算して、どの用語を覚えるのかを…

世界史の学習法について考える(その4 試験に出やすい用語の法則 センター試験編)

教科書には太字のところとそうでないところがあります。大学入試では確かに太字が主に出題されますがその数は膨大で、しかも太字でない用語や文章部分も出題され、その問題が合否の分水嶺になる場合もあります。 センター試験は教科書に載っていることから出…

林修先生の講演を聴いて「職業」について考える(その2)

林修先生の講演会「やりたいこととできること」を聴いて、そこで紹介されたことから職業について考えます。要旨はその1を見てください。 林修先生の講演を聴いて「職業」について考える(その1) - ぶんぶんの進路歳時記 「身分の固定化」の根拠は舞田敏彦…

林修先生の講演を聴いて「職業」について考える(その1)

先日近所に東進ハイスクールの林修先生が講演に来たので参加しました。他のブログを覗くと林先生の講演の話が載っているので、私も少し書かせてもらいます。 あくまで職業について考えるブログ本文が主で、講演の要旨は従です。 一般向けの講演という案内だ…

世界史の勉強方法について考える(3 参考書・問題集 出力編)

世界史の参考書・問題集選び 後半です。 紹介したものを何冊も買わず、手にとって自分に合うものを一冊選んで、繰り返しやりましょう。 前半はこちら 世界史の勉強方法について考える(その3 参考書・問題集 入力編) - ぶんぶんの進路歳時記 4)一単元あ…

世界史の勉強方法について考える(3 参考書・問題集 入力編)

世界史の学習は基本的に学校で購入した教科書・資料集・サブノート・用語問題集で行いますが、三年生になると各自の学習の進み具合や志望校によって教材を買い足した方がいいこともあります。 ただ「どの段階でどういう教材を使うと効果的か」というのは高校…

ゴールデンウィーク ぐでたまかふぇ

ゴールデンウィークなので進路の話は休憩(受験生はたぶん勉強してますね)。今回は普通のブログです。 連れ合いと子どもが大阪梅田のヘップファイブにある「ぐでたまかふぇ」に行きました。私は留守番。 「ぐでたま」はサンリオの登録商標です。著作権法の…

2020年度 「大学進学希望者学力評価テスト」(仮)について考える

私は世界史を主に教えていますが、最近周りが騒がしくなってきました。 原因のひとつは、2022年度から実施される新学習指導要領で「歴史総合」「地理総合」「公共」が新設されることです。もうひとつは2020年度から実施される「大学進学希望者学力評価テスト…

高校二年生4月 「中だるみ」について考える

新学期が始まりました。進路主任をしていた時はこの時期に各学年から呼ばれて新しい学年での心がけを集会で話しました。 一年生と三年生では話す内容には困りませんが、二年生にしっかり顔を上げて聞いてもらうのは結構難しいです。 今日は二年生がこの一年…

三年生五月 模擬試験は受験するのではなくて活用する(その2)

模擬試験の心構え、後半は事前準備と事後の復習についてです。 2 事前準備 模試の問題は「繰り返し出されること」と「未知の問題」の両方からできています。 前者は、英語なら発音、アクセントなど「似ているけど違う」「和製英語と違う」など「紛らわしい…

三年生五月 模擬試験は受験するのではなくて活用する(その1)

三年生は早速四月末から五月初旬にかけて第1回全統マーク模試、記述模試があります。今回は模擬試験を受験する心構えや活用法について考えます。 受験のスパンの中で模擬試験は到達度を測る「中期の目標」です。 ところが生徒を見ていると、一学期はまだ部…

受験シーズン到来、高校三年生が受験生になる、について考える(その2)

高校三年生が受験生になるための心構えややるべきことについて考えます。 後半は志望大学の決め方、学習計画についてです。 3 志望大学を決める 志望大学を決めないと学習計画が立てられません。難関大学になればなるほど志望校の傾向に沿った綿密な計画が…

受験シーズン到来 高校三年生が受験生になる、について考える(その1)

新学期が始まりました。進路主任をしていた時はこの時期に各学年から呼ばれて新しい学年での心がけを話しました。 私が三年生の担任をしていた時、進路主任が前年度の国公立大学合格者(進学者ではありません)の数字をあげて、一生懸命「最後まであきらめる…

世界史の学習方法について考える(2 記憶を定着させる)

前回は、世界史という科目が生徒の何を試そうとしているかを話しました。 今回は、知識を定着させるための効果的な入力や出力の方法について考えたいと思います。 1 教科書を読んで「ストーリー」を把握する 世界史は全体・章・各単元で「伝えたいこと」が…

世界史の学習方法について考える(1 どこから手をつける?)

もうすぐ新学期です。先日三年生の主任に「学年集会で5教科から受験勉強の進め方を教えてあげてほしい」と依頼がありました。 これは難問です。ターゲットが違えば学習の進め方が違うからです。 国公立大学第一志望ならセンター試験が行われる1月中旬と前期…

フィールドワーク 横光利一と『雪解』について考える

先日、知り合いが出演すると聞いたので「『雪解』のつどい」という横光利一を顕彰する会に参加しました。 横光利一(1898~1947)は菊池寛に師事し、川端康成と共に新感覚派として大正から昭和にかけて活躍しました。 数々の比喩を用いて卑弥呼を描く『日輪…

入学式直前 「中学生が高校生になる」について考える

高校の合格発表があり、合格者は高校の説明会に参加して各種手続き、教科書などの購入、制服や体操服の採寸を一通り済ませた時期だと思います。後は4月はじめの入学式を待つだけになりました。 私のブログは、高校の教員が生徒の前でどんな話をするか(教科…

新年度に向けて 卒業生の話から「縦の繋がり」について考える(その2)

「縦の繋がり」を作るための卒業生の合格体験談は、担任が卒業生に一対一でインタビューする形(公開面談)で行われています。後半です。 三重大学 教育学部 Q:一年生の時には部活もがんばり成績もよかったが、2年生の時にしんどかった。どうやって乗り切…

新年度に向けて 卒業生の話から「縦の繋がり」について考える(その1)

高校は学年末考査も終わり、そろそろ終業式です。この時期はクラスマッチや次年度の教材販売など年度末の行事が続きます。 私の学校ではこの時期に大学に合格した卒業生が在校生の学年集会で合格体験談を話します。ただ私が2年生の担任をしていたとき、最難…

世界史の入試問題について考える(その4 大阪大学2016)

大阪大学は西洋史や東洋史という枠を超えて、歴史を「関係性」の中で捉える「グローバルヒストリー」を目指しています。私も縁あって阪大の21世紀COEプログラムに参加し、現在阪大や東大の先生が発起人となって設立された高大接続を目指す研究会に参加し…

世界史の入試問題で試されることについて考える(その3 一橋大学2016)

3回目は一橋大学の解答例を考えながら、大学の先生が世界史を通じてどのようなことを受験生に求めているかについて検証します。 このシリーズの意図は、「解答例」の発表が目的ではなく、大学はどのようなことを生徒に求めていて、そのためにどのような準備…