ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

三年生6月 部活引退後の切り替えについて考える

 私の県では五月末はインターハイの県予選のピーク、運動部の多くは最後の公式戦が終了しました。また体育祭も多くの高校は六月の初旬です。

 またひとつ、またひとつと行事が終わっていき、それと同時に高校三年生最大の行事=入試が近づいてきます。これからは第一志望合格に向けて勉強で完全燃焼を目指しましょう!…といつも言っているのですが、現実はそうはいきません(笑)。

 

 このブログの最初のテーマが「文武両道」の「松竹梅」についてでした。次の項目に思い当たるものが複数ある高校は要注意です。

  • 部活は好きだからやっている。努力が目に見える形で現れやすい、だから達成感がある。
  • 勉強は嫌々やっている。努力が目に見える形で現れにくい。だから達成感を感じない。
  • 3年生の1学期までは部活が学校生活の大半を占め、勉強は最低限で済ませる。
  • 部活を引退しても勉強が嫌いなまま。しかし大学に行かなければならない。とはいえ勉強に興味がないから志望大学や学部も納得して決められない。
  • 部活がなくなった空き時間には「勉強以外の好きなこと」が入る。
  • 嫌いな勉強に向き合わないまま三年生の9月を迎える。
  • 嫌なことは早く済ませたいから、安易な方法や行ける大学で妥協する。
  • 切羽詰まってくると「部活の友だちが頑張っている」を励みに勉強する。
  • 底力の結果、第一志望ではないのに数字上「結果」が出てしまうと、学校はこれを「文武両道の成果」と考えて、改善なしに次の年度を迎える。

 

過去ログも参照してください

進路歳時記スタート 文武両道について考えるその1 - ぶんぶんの進路歳時記

 

 部活を引退した直後の切り替えに最も効果的なのは「模試の活用」です。6月に引退した人は、ベネッセの6月マークを上手く活用しましょう。

 5月の末に第1回全統マーク模試の結果が返却されています。たいていの生徒は偏差値とか判定ばかり見ます。模試で大事なのは結果ではなく分析です。

 「模試を活用する」の回に書きましたが、間違えた問題、わからなかった問題について「間違いノート」を作り、解き直して「なぜ、どのレベルで間違ったのか」を究明します。

 

 過去ログも参照してください

三年生五月 模擬試験は受験するのではなくて活用する(その2) - ぶんぶんの進路歳時記

 

 また模試の結果には「この科目のどの分野が苦手か」を示すグラフがあります。次の模試までに苦手分野については例題レベル、本文太字レベルはできるようにしましょう。

 多くの生徒は5月の模試はインターハイの予選が近いことを理由にあまり準備をせず、終わった後の復習も不十分です。全統マーク模試の復習をしてベネッセのマーク模試に臨んでください。そしてベネッセの模試が終わったらすぐに復習しましょう。

 

 ちゃんと準備をしないで臨んだ最初の模擬試験でショックな結果が返ってきた人も多いと思います。いやショックを感じていない人もいるかもしれません。

 勉強というものは部活と同じく「間違って覚える」ものです。ただし何もしないで間違ったことは何の財産にもなりません。

 全統マーク模試で何もしなかったと自覚しているなら、解き直しをして、知らなかったこと、覚えているつもりがあやふやなところ、手が回っていない部分を見つけて復習しましょう。

 

追記 6/21

 結果と一緒に講評が配布されますが(河合塾だと『ANTENNA』)、そこに全国の設問別正答率が掲載されています。

 「全国のお友だちはできているのに私ができていない問題」ば真っ先に復習です。逆に極端に正答率が低いものは「ドボン」なので、受験する大学によっては気する必要がない場合もあります。

 ちなみに私は模試の前に過去問プリントを配って演習する際には、正答率と難易度◎〇△▲をつけて、簡単な問題を落とさないように指導しています。

 

 しかし、たぶんベネッセのマーク模試でも間違うと思います。

 部活を思い出してください。練習が足りなくて負けたときは悔しくありませんが、準備したのに負けたときは悔しいです。この悔しさが勉強においては「あやふや」を「確かな記憶」に変える鍵です。

 「これ前回間違った問題だ、だからこれが正解」と答えられるようになったとき、皆さんは自分の「伸び」を実感します。

 

 「まだ勉強し始めたばかり」という甘えは厳禁です。他校生も同じ条件です。

 模擬試験は本番の入試より難しめの内容ですが、部活の練習試合も自分たちより強い相手としているはずです。最初から負けるつもりで臨んでいますか? 強い相手に対して全力を尽くさなければ自分の課題は見えてきません。

 

 「文武両道」は引退した後こそ本領を発揮します。勉強が嫌で部活に逃げていたのか、部活を勉強に応用できると思って活動していたか、夏休みまでの一ヶ月の過ごし方があなたの「文武両道」への答えです。

 いきなり受験勉強と言っても何をしていいか分からない、だからやる気が出ない、というスパイラルにならないように、まずは直近の模試を活用して、自分に何が足らないか、何をしたらいいかを洗い出しましょう。

 

追記

    部活が終わって勉強のペースがつかめない人は、部活の時間帯を今まで「うざうざ」にやっていたことの時間に使うといいです。模試の復習や準備以外にも、部活で忙しいことを理由に学校の課題を答えを写して終わりにした人もいるはずです。

    問題をあきらめず自力で解く習慣をつけるなら一学期がラストチャンスです。