ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

大学修学能力試験(대학수학능력시험)の世界史(세계사)を解いてみた2024-2025

はじめに

 過去に大韓民国の大学修学能力試験(修能 スヌン)(대학수학능력시험(수능))の世界史(세계사)の解説をしたところ、2025年度の修能の時期に何件かアクセスをいただきました。ありがとうございました。ひょっとしたら期待されている?

  遅刻しそうな受験生をバイクやパトカーが連れてくると記者が群がります。「そういう絵を撮ってこい!」という上司の指令?

news.yahoo.co.jp

 修能の世界史は基本「置換」(問題文を読み、文中のヒントから問われている事項を特定し、関連する短文を選ぶ)しまくる問題で、このスキルは日本の共通テストや私立大学入試で必須です。当ブログは日本の受験生の向けですが、韓国の受験生にも参考になるよう心がけています。

 2025年度の修能の世界史を翻訳しながら解答し、日本の著作権法の範囲内で(論考が主で引用が従、引用は1/2を超えない)分析しました。韓国の著作権法的によろしくない部分があればご一報ください。youtubeで韓国の予備校が速報をしていますが、それより問題文の露出は少なくしています。

 問題は公式から入手しました。分析はぶんぶんの著作物です。Googleレンズを使って翻訳していて不明な点がいくつかありましたので、詳しい方が見えましたら間違いにつていご教示いただければ幸いです。

 問題は無断転載不可なので各自でダウンロードしてください。ただしぶんぶんが問題を入手した速報サイトは閉鎖、公式も2024年11月ブロック中です。

 問題を知りたい人はこれを見るといいかも。


www.youtube.com

別バージョン 韓国教育放送公社(EBS)はEテレみたいなところ。


www.youtube.com

公式

www.suneung.re.kr

修能の概要はこちら

bunbunshinrosaijki.hatenablog.com

目次

 

1 修能の世界史 2025

① 凡例

出題パターン

一問一答:「あれと言えばこれ」的問題

内容理解:教科書の記述内容が正誤判断に関わる

年号:年号知識が必要

組み合わせ:正しいものの組み合わせ、国名と短文の組み合わせの正しいものを選ぶ

時代

前近代:古代史、中国は元まで、イスラームは14世紀まで

中世:ヨーロッパの中世

近世:大航海時代宗教改革主権国家体制、オスマン・サファヴィー・ムガル

18世紀:啓蒙専制主義、大西洋革命、

19世紀:国民国家帝国主義

20世紀:ふたつの世界大戦、戦後

難易度

◎:即答

○:教科書の内容が理解できていれば解ける

△:やや細かい知識、複数の知識を渡らせる

▲:かなり細かい知識。教科書の深い理解

② 2025年の各設問

2020~2024は過去ログを見てください

年度 設問 発問内容 史料中のヒント タイプ 地域 時代
2025 1 遺物の文明の説明として正しいもの ラムセス2世 ナイル川 一問一答 オリエント 前近代
2025 2 二つの史料の間の出来事として正しいもの 聖徳太子 菅原道真 年号 日本 前近代
2025 3 史料の国について正しいもの 北面官南面官 敵を長江以南の浙江に退却させる 内容理解 東アジア 前近代
2025 4 説明文の戦争の結果として正しいもの クセルクセス テルモピレー サラミス 内容理解 ギリシアローマ 前近代
2025 5 資料の中の王朝について正しいもの キリスト教徒の攻撃から逃れたシリアの人がバグダードのカリフに報告する 一問一答 西アジア 前近代
2025 6 文中の王朝の経済政策として正しいもの 地税と人頭税を一括銀納する。張居正で全国的に拡大される 内容理解 東アジア 近世
2025 7 会話中の人物の説明で正しいもの 父はトゥール・ポワティエ間の戦い 子はレオ3世から戴冠 内容理解 西ヨーロッパ 中世
2025 8 文中の王朝の説明で正しいもの パンジャーブ地方を支配 パルティアとローマ帝国 内容理解 インド 前近代
2025 9 文中のア、イの事件とその説明の組み合わせの正しいもの ア:パリ、選挙権拡大運動で内閣が倒れる イ:トリノ、新しい国家は王政 組み合わせ 西ヨーロッパ 19世紀
2025 10 文中のア、イの王朝とその説明の組み合わせの正しいもの ア:マムルーク朝を滅ぼす イ:アとメソポタミアで争う 組み合わせ 西アジア 近世
2025 11 史料中の王朝の説明として正しいもの イサベルとフェルディナントの共同支配 サンサルバドル 一問一答 西ヨーロッパ 近世
2025 12 史料中の「戦争」の説明について正しいもの 三年間の戦い ドゥーマとの協議のもと退位 内容理解 東ヨーロッパ 20世紀
2025 13 文中の空欄に入る内容として正しいもの 西洋商人との貿易を広州に制限 一問一答 東アジア 近世
2025 14 文中の人物の内容として正しいもの 共和国の大統領 20年以上前にアルジェリアを征服 内容理解 西ヨーロッパ 19世紀
2025 15 史料中の国家の出来事として正しいことの組み合わせ 西安事件 中国同盟会 袁世凱の帝政復活企図 組み合わせ 東アジア 20世紀
2025 16 史料中の組織についての探究活動として適切なもの 傭兵たちが新しい弾薬筒に不安 内容理解 インド 19世紀
2025 17 文中の「宗教的妥協」の説明で適切なもの ヴィッテンベルク 神聖ローマ帝国 オスマン帝国 内容理解 西ヨーロッパ 近世
2025 18 演説中の「ある国」の説明で正しいこと 共産主義の援助を受ける アルバニアユーゴスラビアブルガリアと北で国境を接する 内容理解 西ヨーロッパ 20世紀
2025 19 文中の「ある国」の説明で正しいこと 革命24周年の国と我が国を侵略しないという条約を破った 内容理解 東ヨーロッパ 20世紀
2025 20 文中のア、イの国歌とその説明の組み合わせの正しいもの ニクソンがイを牽制するためこの国を訪問  組み合わせ 東アジア 20世紀

③ 2025年の全問解説

  1.  即答で①(死者の書)。「ナイル川」「ラムセス3世」「ファラオ」から古代エジプト文明の内容を選ぶ。修能はエジプト好き。②ギルガメシュ叙事詩メソポタミア、③オリンピアの祭典=ギリシア、④甲骨文字=殷、⑤モエンジョ=ダーロ=インダス文明
  2. 即答で②(古事記が編纂された)。日本史問題は下線部と同じ時期の出来事を選ぶ問題が恒例だが、今回はアとイの間の出来事を選ぶ問題かつ古代史。アは「聖徳太子」から7世紀(607年群れなし渡る)、イは「菅原道真遣唐使に関する上訴」から9世紀(894年白紙に戻す)なので、8世紀の出来事が正解。①琉球併合=19世紀、③解体新書=18世紀、④東遊運動=20世紀、⑤参勤交代=17世紀とダミー選択肢が大きく外している。
  3. 正解は⑤(首都を中都に移した)。右側の史料「(争っている)彼らが浙江の長江以南に首都を移した」より金のことを選ぶ。中都がやや細かいのと、左側の史料の「北面官、南面官」から契丹と早とちりして④「澶淵の誓約」に引っかかりそう。②パスパ文字=元、③九品中正=魏。
  4. 即答で②(アテネデロス同盟を結成)。「クセルクセス」「テルモピレー」「サラミス」から文章は第3次ペルシア戦争の内容なので、「その結果」として適切なのは②。③「スパルタがギリシアの覇権を握った」はペロポネソス戦争の結果。
  5. 正解は②(タラス河畔で勝利した)。「キリスト教徒の攻撃でシリア地方からの避難民がカリフのいるバグダードに行き」とあるのでアッバース朝の出来事を選ぶ。当ブログの読者なら「タラス河畔の戦い=751年=しつこいアブラ(=アラブ&アッバース朝)を紙で拭く=製紙法の西伝」で即答。①「スルタンの称号を受けた」=セルジューク朝。十字軍からのひっかけ。③イベリア半島まで進出=ウマイヤ朝、④アフガン人の攻撃で衰退=サファヴィー朝、⑤ササン朝ペルシアを滅ぼす=正統カリフ時代ウマルの時。
  6. 即答で⑤(北虜南倭に苦しんだ)。「税金の項目が複雑化したので地税と人頭税を一括して銀納する」「張居正の時に全国に拡大」から一条鞭法の話なので明のことを選ぶ。①地丁銀=清、②半両銭=秦、③均輸と平準=前漢、④大運河=隋。入試の鉄板。
  7. 即答で③(カロリング朝を開いた)。会話文の「父親はトゥール・ポワティエ間の戦い」「子はレオ3世から戴冠」から人物はピピン3世。①ミラノ勅令=コンスタンティヌス帝、②聖像禁止令=レオン3世、④アクティウムの海戦で勝利=オクタウィアヌス、⑤クレルモン宗教会議=ウルバヌス2世。鉄板。
  8. 正解は④(イラン系の民族が建国)。「パンジャーブに進出」「ローマとパルティアとシルクロードの交易の利益を争った」から修能が大好きなクシャーナ朝のことを選ぶ。「イラン系」は細かい知識。①エフタル=グプタ朝、②アショーカ王マウリヤ朝、③ガズナ朝を撃退=ゴール朝、⑤マラーター同盟の反乱=ムガル帝国
  9. 難解だが消去法で正解は③(1:旧の体制が崩壊)。組み合わせ問題。共和政に関する問題で、1はパリ「中下層市民と労働者の選挙権拡大運動で内閣が倒れた」なので二月革命のこと。①1:テルミドールの反動、②1:シャルル10世の退位は不適。2はトリノ「共和国ではなく王国になって失望した」からイタリア王国の成立で、④2:アルザス・ロレーヌの併合、⑤2:ヴィルヘルム1世の即位は不適。
  10. 正解は④(イ:イスファハンを首都とした)。組み合わせ問題。アは「マムルーク朝を滅ぼして北アフリカに進出」からオスマン帝国、イは「アとメソポタミアで争った」からサファヴィー朝。やや細かい知識。①ア:クリミア戦争で敗北→負けたのはロシア、②ア:ティムール朝を滅亡させた→ウズベク人、③イ:モンゴルの侵入で滅亡→アッバース朝、⑤イ:アイバクがデリーを占領→奴隷王朝
  11. 即答で②(レパントの海戦で勝利)。「イサベルの援助で航海」からスペインのことを選ぶ。①サン・スーシー宮殿=プロイセン ③ネルチンスク条約モスクワ大公国、④コルベール=フランス、⑤無敵艦隊を撃破=イングランド
  12. 正解は⑤(オーストリア・ハンガリー帝国が解体)。文中の「敵との3年にわたる闘い」「ドゥーマと協議して退位」から史料は1917年の三月革命の話、「闘い」は第一次世界大戦なので⑤が適切。ドゥーマはやや細かい。①ポーツマス条約=日露戦争、②ヴィシー政府=第二次世界大戦、③神聖ローマ帝国解体=ナポレオン戦争、④フィリピンの支配権における闘争=米比戦争?
  13. 即答で①(公行を運営した)。文中に「皇帝が貿易を統制するためにヨーロッパの来航は広州に限定」から時代は清で「このような状況下で西洋商人との貿易を管理するために」に続くのは①が適当。②市舶司=唐宋、③会館・公所=明、④市易法=王安石の新法=北宋、⑤色目人=元。鉄板問題。
  14. よく読めば正解は①(統領政府を樹立)。複数のヒントから推理する問題。共和国の大統領が20年以上前のアルジェリア植民地化について演説しているので、大統領はルイ=ナポレオン。彼が皇帝に就任することを過去の皇帝の話で正当化しようとしているので、空欄の人物はナポレオン=ボナパルト。②鉄血政策=ビスマルク、③七月革命で即位=ルイ=フィリップ。「アルジェリア」からのひっかけ。④デカブリストの乱を鎮圧=ニコライ1世、⑤パリ=コミューンを弾圧=ティエール。
  15. できれば即答④(「張学良が西安事件を起こす」と「袁世凱の皇帝復活宣言」の組み合わせ)。「孫文が中国同盟会を結成」を含めた3つの文のうち史料の国家の出来事の組み合わせを選ぶ。史料の「共和万歳」「皇帝が退位に同意」「退位後の待遇」から「国家」は中華民国なので、中国同盟会(1905年結成)のみ不適。「この事件は清末~中華民国のどの時間軸に入るか」は日本の私大入試の定番で、新文化運動もよく聞かれる。
  16. しばし考えるが正解は⑤(ボストン茶会事件について探究する)。「シパーヒーが新しいライフルの弾薬筒に牛や豚の油が使用されていると噂している」から、探究すべき組織は彼らを雇っているイギリス東インド会社。①ベンガル分割令と②ローラット法はインド政庁時代、③ファショダ事件はスーダン、④カシミール紛争はインドとパキスタンの分離独立前後。
  17. 即答で③(ルター派を公式に認めた)。「ヴィッテンベルク」「オスマン帝国」から文章はドイツ宗教改革のことで、それに関する「妥協」はアウクスブルクの和議。①ナントの勅令=フランス、②ウェストファリア条約三十年戦争後の二度目の妥協。カルヴァン派も公認される、④イエズス会の公認⑤コンスタンツ公会議はローマ=カトリック側の話。
  18. ややこしいけど正解は③(オスマン帝国から独立)。「アメリカ大統領が共産主義の拡大を恐れて出した宣言」からギリシア③とトルコ④(ムスタファ・ケマルが共和国を建設した)の二択だが、文中の「ユーゴスラヴィアアルバニアブルガリアと北で国境を接する」からギリシアが該当する。地図レス地図問題。
  19. 正解は①(国際連盟から脱退した)。「革命24周年」から文章はソ連のことで「( )は条約を破って侵攻してきた」から空欄はドイツ。②ミャンマーを植民地化した=イギリス、④インドシナ連邦=フランス、⑤新経済政策=ソ連
  20. 正解は③(イ:米とともにドイツを分割占領した)。キッシンジャーがアを訪問した話で、「アは、イを口では『兄弟』と主張するが、実際にはコメコンを主導し様々な国を勝手に踏みつけているので、独自の歩みを取っていた」より、アは中華人民共和国、イはソ連と判断できる。中ソ対立の理解が試される。①ア:満州事変→日本、②ア:ヤルタ会談→アとイを取り違えるとこれにひっかかる。④イ:自由労組→ポーランド ⑤アとイ:戦略核兵器削減交渉(SALT)→米ソ。

*休憩 フランソワ・ピエール・ギヨーム・ギゾー

 『ヨーロッパ文明史』(1828年)など「文明(civilisation)」を通じてヨーロッパ史を読み解いた歴史家であるギゾーは、1832 年から 37 年まで七月王政下で公教育大臣、1840 年から 47 年まで外務大臣、1847 年から 1848 年にかけて首相に就任しました。

 中小資本家や労働者の選挙権拡大運動を弾圧し、改革宴会の中止を命じたことから二月革命が勃発、ギゾーはイギリスに亡命し、その後は文筆業に専念しました。

 彼の失言と伝えられる「選挙権がほしければ金持ちになりたまえ」は萩生田元文部科学大臣もびっくりの「身の丈発言」です。選挙権は納税額200万フラン、被選挙権は同500万フランで有権者は全人口の0.5%、労働者がそれほどの「金持ち」になるチャンスはあったのでしょうか。

 また「文明こそ社会の進歩」という思想は、後の植民地主義に通じます。

参考

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kaseigakuinkiyo/63/0/63_33/_pdf/-char/en

2 分析編

① 出題パターン

  2020 2021 2022 2023 2024 2025
一問一答 8 8 6 6 7 4
内容理解 4 8 13 8 12 11
年号 5 2 1 4 0 1
組み合わせ 3 2 0 2 1 4
小計 20 20 20 20 20 20

 主に知識を測るのが一問一答と組み合わせ問題で4割~5割程度というのは毎年同じで、2025年は組み合わせ問題が増えました。

 内容理解問題は、キーワードから即答できるもの(5の「バグダード」、12の「広州」、13の「ドゥーマ」)もありますが、今回はやや細かいもの(10の「メソポタミアで争う」)、ちゃんと読まないと解答できないもの(9、14、18、20)、複数の知識をつなぎ合わせるもの(14、18)があり、受験生にはやや難しかったと考えます。

② 地域

  2020 2021 2022 2023 2024 2025
オリエント 1 1 1 1 1 1
ギリシアローマ 1 0 1 2 1 1
西ヨーロッパ 5 7 6 7 5 6
東ヨーロッパ 2 0 2 1 4 2
アメリ 1 1 0 0 0 0
西アジア 2 4 2 2 1 2
東アジア 6 5 4 5 6 5
日本 1 1 1 1 0 1
インド 1 1 3 1 2 2
小計 20 20 20 20 20 20

 毎年各地域がまんべんなく出題され(大枠ではヨーロッパ5割、それ以外5割)、地域ごとの出題数に枠があるようです。修能は「古代エジプト文明」「クシャーナ朝」がお気に入りですが、ダミー選択肢を見ると各時代や地域の網羅的な知識が求められています。

 2025年は「インド大反乱とイギリス東インド会社」、「独ソ不可侵条約」、「トルーマン・ドクトリン」、「中ソ論争」などエリアをまたぐ問題が多く見られました。

③ 時代

  2020 2021 2022 2023 2024 2025
前近代 5 7 9 9 6 6
中世 2 2 1 1 2 1
近世 3 3 3 3 5 5
18世紀 3 0 0 0 0 0
19世紀 4 4 1 2 3 3
20世紀 3 4 6 5 4 5
小計 20 20 20 20 20 20

 各時代から出題され、枠も決まっているようです。戦後史は必ず出題され、2025年は「トルーマン・ドクトリン」と「中ソ論争」でしたが、ダミー選択肢に「自主労組」「ブラントの東方外交」など修能の好きな東欧戦後史が混じっていました。

 なお地域と時代を3年分を並べるとこうなります。毎年似た構成です。

  2023   2024   2025  
1 オリエント 前近代 オリエント 前近代 オリエント 前近代
2 東アジア 前近代 東ヨーロッパ 中世 日本 前近代
3 日本 前近代 東アジア 前近代 東アジア 前近代
4 西ヨーロッパ 近世 西ヨーロッパ 中世 ギリシアローマ 前近代
5 西アジア 前近代 東アジア 前近代 西アジア 前近代
6 東アジア 前近代 東アジア 近世 東アジア 近世
7 ギリシアローマ 前近代 東アジア 近世 西ヨーロッパ 中世
8 東アジア 前近代 インド 前近代 インド 前近代
9 西ヨーロッパ 中世 ギリシアローマ 前近代 西ヨーロッパ 19世紀
10 インド 前近代 インド 近世 西アジア 近世
11 ギリシアローマ 前近代 西アジア 前近代 西ヨーロッパ 近世
12 西ヨーロッパ 19世紀 東アジア 19世紀 東ヨーロッパ 20世紀
13 東ヨーロッパ 20世紀 東ヨーロッパ 近世 東アジア 近世
14 西アジア 近世 西ヨーロッパ 近世 西ヨーロッパ 19世紀
15 西ヨーロッパ 近世 東アジア 20世紀 東アジア 20世紀
16 西ヨーロッパ 20世紀 西ヨーロッパ 19世紀 インド 19世紀
17 西ヨーロッパ 20世紀 西ヨーロッパ 20世紀 西ヨーロッパ 近世
18 西ヨーロッパ 20世紀 西ヨーロッパ 19世紀 西ヨーロッパ 20世紀
19 東アジア 19世紀 東ヨーロッパ 20世紀 東ヨーロッパ 20世紀
20 東アジア 20世紀 東ヨーロッパ 20世紀 東アジア 20世紀

④ 難易度

12 11 10 12 12 10
6 6 4 4 6 3
2 2 4 4 2 7
0 1 2 0 0 0
小計 20 20 20 20 20 20

 毎年ほぼ同じ難易度ですが、2025年度は先述の「ちゃんと読まないと解答できない」「複数の知識をつなぎ合わせる」問題が多めです。「クシャーナ朝イラン系」「サファヴィー朝オスマン帝国メソポタミアで争った」は日本の受験生には細かい知識で、△と▲の間ぐらいの難易度です。

 また1の③で解説したように、ダミー選択肢の中に早とちりを誘発するものが周到に用意されていて、勉強があやふやな受験生をふるい落とすようになっています。

 ぶんぶん的には2025年度は2024年度よりやや難化したと判断します。

まとめ

  • 修能の世界史では各地域・各時代がまんべんなく出題されます。
  • 「資料文→用語に変換→短文選択」という知識置換問題が大半です。
  • 高得点を取るには、用語から諸文明の特徴が連想できる王朝・国家の名前からその中身(建国→発展→衰退→滅亡)が時系列に言えることが必要です。
  • まずは教科書の内容を網羅的に学び、各地域の特徴に関する重要語句を「いつ・どこ・だれ・なに」とともに記憶しましょう。
  • 19世紀から現代にかけては、重要な事件がいつの時期にどの順番で起きたかが問われます。重要事件の年号を記憶し、因果関係を把握しましょう
  • 過去問学習に取り組みましょう。過去問からの出題もあるので、ダミー選択肢も含めて用語から内容、内容から用語を思い出せるか確認しましょう。

 日本も韓国も入試で問われる世界史の知識は共通しています。韓国の受験生とは話が通じそうです。ああ、ぶんぶんの年号語呂合わせが韓国でも通用すれば…。

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