ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

センター世界史で必要最低限な年号を語呂で覚える(4 世紀の理解)

    センター試験が間近に迫ってきました。 

    センター試験世界史Bの年号対策、最終回は「軸年号から世紀を判断する」です。

    世界史を100年ごとに振り返り、各世紀の様子とそれを象徴する最小限の年号についておさらいします。

  過去回 

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追記:◯◯世紀の考え方

    紀元1年(イエスさんが生まれたことになっている年)から紀元後100年までが1世紀、紀元前100年までが前1世紀。1453年(ビザンツ帝国滅亡)は15世紀。前221年(始皇帝の統一)は前3世紀。100の位以上に1足すイメージ。

    「前半か後半か」と聞かれたら1〜50が前半。51〜100が後半。2018年は21世紀の前半。1989年(冷戦終了)は20世紀の後半。

   紀元前はカウントダウン(イエスさんが生まれる◯年前)なので、前594年(ソロンの改革)は前6世紀前半、前508年(クレイステネスの改革)は前6世紀後半。

  

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アリストテレスです。同志社大学で僕が何世紀の人かって問題がありましたが、アレクサンドロス3世の家庭教師をしていた話で判断してください。ソクラテスさんはソフィストとバトったから=民主政が衆愚政治になる時期、いつの人?

 

時代 概観 軸年号 世紀で覚える 日本
前12世紀 「海の民」の移動でヒッタイト滅亡、ギリシアは「暗黒時代」に。セム系3民族が活動開始。  

前13世紀 エジプト新王国とヒッタイトが争う

前11世紀 殷周革命

 
前6~前5世紀 ギリシアに民主政、ローマに共和政が成立。オリエントにはアケメネス朝が出現。中国では春秋時代から戦国時代へ。

前594:財産政治

前508:陶片追放

前494:護民官

前480:サラミスの海戦

前431:ペロポネソス戦争

前403:戦国時代(晋の三分) 

前6世紀 スキタイ

ローマ共和政成立はクレイステネスの改革の頃

 
前4~前3世紀 広域帝国の形成期。前4世紀はアレクサンドロス匈奴マウリヤ朝。前3世紀は秦漢。

前334:東方遠征

前287:ホルテンシウス法

前221:秦の統一

前3世紀 アショーカ王 パルティア、バクトリア  
前2~前1世紀 古代帝国の形成。漢の武帝匈奴の争い、パルティアの東西交易路支配、ローマの地中海支配

前141:武帝即位

前133:グラックス兄弟の改革

前31:アクティウムの海戦

前1世紀 サータヴァーハナ朝  
1~2世紀 古代帝国の成熟。ローマ帝国~パルティア~クシャーナ、サータヴァーハナ~扶南~後漢の古代交易

25:後漢成立

184:黄巾の乱

1世紀 クシャーナ朝

五賢帝は1世紀末〜2世紀末

漢委奴国王
3~6世紀 民族移動の時代。ローマ(3世紀の危機、ゲルマン人の移動)、魏晋南北朝グプタ朝とエフタル

226ササン朝

284:四分統治

316:西晋滅亡

395:ローマ東西分割

439:北魏華北統一

476:西ローマ滅亡

496:クローヴィス改宗

589:隋統一

3世紀 カラカラ帝

4世紀 グプタ朝

6世紀 ホスロー1世 ユスティニアヌス ベネディクトゥス

邪馬台国

倭の五王

7世紀 集権的国家の復活。イスラームの拡大。隋唐

618:唐建国

622:ヒジュラ

ヴァルダナ朝

遣隋使

白村江の戦い

8世紀 新帝国の時代。フランク(ローマ帝国再興)、アッバース朝イスラーム帝国)、唐(律令国家)

732:トゥール・ポワティエ間の戦い

751:タラス河畔の戦い/カロリング朝

755:安史の乱

800:カールの戴冠

  奈良時代
9~10世紀 民族移動と軍事政権の分立。トルコ人、ノルマン人、マジャール人スラヴ人の移動

843:ヴェルダン条約

907:唐滅亡

911ノルマンディー公国

946:ブワイフ朝バグダード入城

960:北宋建国

962:オットー1世の戴冠/ガズナ朝

9世紀 ウイグルの西進、サーマーン朝

10世紀  カラ=ハン朝、ウラディミル1世

平安時代
11世紀 地方政権の自立化、強大化。トルコ人の移動、ベルベル人の活動でイスラーム世界が拡大。ヨーロッパでは生産力拡大につれキリスト教が普及

1004:澶淵の盟

1055:セルジューク朝バグダード入城

1066:ノルマン朝

1095:クレルモン宗教会議

ムラービト朝 パガン朝 国風文化
12世紀 群雄割拠の時代。各地域で経済発展進む。江南の発展。海上ネットワークの結びつき 1126:靖康の変 アイユーブ朝 ホラズム 両シチリア王国

平氏政権

鎌倉幕府

13世紀 モンゴルによるユーラシアの一体化。草原の道~海の道の循環

1206:クリルタイ/奴隷王朝

1215:マグナカルタ

1258:アッバース朝滅亡

1271:国号を元

マムルーク朝 マジャパヒト王国 元寇
14世紀 14世紀の危機。モンゴル帝国が崩壊するがティムール朝など後継者が出現。西ヨーロッパは黒死病と戦乱

1303:アナーニ事件

1339:百年戦争開始

1356:金印勅書

1368:明建国

イタリアでルネサンス

ヤギェウォ朝

カルマル同盟 

アユタヤ朝

南北朝
15世紀 海上交易の発展。琉球、東南アジアで中継貿易が繁栄。世紀末にはポルトガルがインド航路開発

1402:アンカラの戦い

1449:土木の変

1453:ビザンツ帝国滅亡/百年戦争終了

1492:グラナダ陥落/コロンブスの航海

鄭和の南海遠征

グーテンベルク活版印刷

室町幕府

勘合貿易

16世紀 アジア帝国の繁栄。オスマン、サファヴィー、ムガル。新大陸の銀がアジアにもたらされ経済発展が加速。ヨーロッパでは主権国家が出現

1517:九十五ヵ条の論題

1526:ムガル帝国

1529:ウィーン包囲

1534:首長法/イエズス会

1571:レパントの海戦

1598:ナントの王令

1600:イギリス東インド会社

サファヴィー朝

戦国時代

鉄砲伝来

日本銀

 

17世紀 17世紀の危機。オスマン朝に陰り。明清交代。ヨーロッパは戦争の時代。オランダの覇権。英仏は国家体制を再編し、大西洋貿易やアジア交易圏への参入して植民地獲得に活路を見いだす

1642:ピューリタン革命

1644:李自成の乱

1648:ウェストファリア条約

1651:航海法

1689:権利章典ネルチンスク条約

1700:北方戦争 

アウラングゼーブ 江戸幕府 朱印船貿易
18世紀 市民革命と産業革命の時代。英仏の植民地争い。啓蒙専制君主。インド、東南アジアにヨーロッパ人が進出

1713:ユトレヒト条約

1757:プラッシーの戦い

1776:アメリカ独立革命

1789:フランス革命

ワッハーブ王国 元禄
19世紀前半 ナショナリズムの時代。ヨーロッパ各国がイギリスに対抗するべく国家体制を再編を目指すが革命は破綻。イギリスは自由貿易を推進し世界の工場に

1815:ウィーン議定書

1823:モンロー教書

1830:七月革命

1840:アヘン戦争

1848:二月革命

ムハンマド=アリー 化政
19世紀後半 ヨーロッパではナショナリズムと戦争で国民国家が建設される。ドイツ、アメリカなど新興国の経済的追い上げ

1853:クリミア戦争

1856:アロー戦争

1857:インド大反乱

1861:南北戦争農奴解放宣言/イタリア王国

1869:スエズ運河/大陸横断鉄道

  明治政府
1870~1914 帝国主義の時代。70年代の大不況を境に植民地獲得競争が激化。アジアはヨーロッパに従属するか、伝統文化を元に抵抗するか、西洋化を受け入れ国民国家に脱皮するか選択を迫られる

1871:ドイツ帝国

1875:スエズ運河株買収

1898:ファショダ事件/米西戦争/中国分割・戊戌の変法

1905:ポーツマス条約/ベンガル分割令/中国同盟会

1911:辛亥革命  

アジアの民族運動

江華島事件

日清戦争

日露戦争

1914~1919 世界大戦は国民や植民地を動員する総力戦に。ロシアでは社会主義革命が発生。戦後民族独立運動が盛んになる

1914:第一次世界大戦

1917:ロシア革命

1919:ヴェルサイユ条約ヴァイマル共和国/コミンテルン/五・四運動/インド統治法・ローラット法

  シベリア出兵
1920年 大戦によってヨーロッパの進歩主義価値観が揺らぐ。一時的な安定により大衆社会が到来する

1923:ルール出兵

1925:ロカルノ条約

1928:不戦条約/第一次五カ年計画

アメリカ、女性参政権

西アジアの独立

大正デモクラシー

普通選挙

1929~1945 世界恐慌で再び大戦へ。修正資本主義と社会主義全体主義に勝利するが、その対立が先鋭化し始める

1929:世界恐慌

1933:ヒトラー政権

1939:ポーランド侵攻

1941:太平洋憲章/真珠湾攻撃

1945:ヤルタ会談ポツダム会談

 

満州事変

日中戦争

太平洋戦争

1945~1989 冷戦の時代。40年代の対立→50年代の雪解け→60年代の核戦争の危機と多極化→70年代のデタント→80年代の新冷戦と緊張と緩和が繰り返される。米ソ両国は核軍拡競争と民族紛争で疲弊し冷戦は終結、同時に東の社会主義政権が崩壊する

1948:ベルリン封鎖

1950:朝鮮戦争

1955:バンドン会議

1956:スエズ戦争ハンガリー革命

1960:アフリカの年

1962:キューバ危機

1965:北爆開始

1968:プラハの春

1979:ソ連アフガニスタン侵攻/イラン革命

1985:ペレストロイカ

1989:マルタ会談/東欧の社会主義政権崩壊/第2次天安門事件

 

サンフランシスコ講和条約

高度経済成長

オイルショック

プラザ合意

 

1990~21世紀 経済のグローバル化が進行。国家間の格差は広がり地域主義も台頭。途上国の不満は内戦という形で現れる。アメリカ合衆国単独主義に走り、世界は貧困と暴力の連鎖におびえている

1990:イラククウェート侵攻

1992:マーストリヒト条約

1993:パレスティナ暫定自治協定

1997:香港返還

2001:同時多発テロ

2003:イラク戦争

   

 

補足:戦後の大まかな把握 対立と緊張緩和

 

45年~55年:冷戦体制の構築

 ベルリン封鎖朝鮮戦争ワルシャワ条約機構

↓ 

56年~63年:雪解けと核戦争の危機

 ハンガリー革命、ベルリンの壁キューバ危機、PTBT

60年代:多極化の時代

 アフリカの年、ド=ゴール、ベトナム戦争文化大革命、EC

↓ 

70年代:デタントの時代

 東西ドイツ相互承認、ベトナム和平協定、SALTⅠ

↓ 

80年代:新冷戦の時代

 ソ連アフガニスタン侵攻、フォークランド紛争

 ↓

85年~89年:冷戦の終了

 ゴルバチョフ、INF全廃条約、マルタ宣言、東欧の社会主義政権崩壊

  

*発展:今だからできる穿った見方ですが、互いが陣営を切り崩すために局地的にやりあう一方、対立があるからこそ米ソ両国が陣営内の不満を都合よく抑え込めたといえます。

 従属国が貧富の差の解消を求めれば「ソ連の陰謀だ」、言論の自由を求めれば「アメリカの手先か」と問題をすり替えることができました。

 しかしそれは対立が「ガチ」であることが条件です。「アメリカ(ソ連)から守ってやる」と言う以上は核兵器に駐留軍と莫大な軍事費が不可欠です。

 ついにソ連が負担に耐えきれなくなります。そこで冷戦の終了が宣言され、「アメリカから守ってやる」という方便がなくなると同時に東欧の社会主義政権も崩壊します。

 アメリカ合衆国には「単独行動主義」ではなく資本主義やグローバル化の矛盾に真正面から向き合ってほしいものです。

 

*発展:ライフネット生命の創業者、出口治明さんは歴史を100年ごとに考える勉強会をしていらして、その内容を出版されています。

「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史

「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史

 

 

    センター試験で必要なものはおおよそ紹介しました。

    後は「ジャックリーの乱は百年戦争中の封建反動のせいだから14世紀後半」のように事件のつながりを考えて、色々な事項をだいたい何世紀ぐらいか推理してください。

 

    受験生の皆さん、追い込み頑張ってください!