ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

進路歳時記スタート 文武両道について考えるその1

こんにちは。某県立高校で世界史の教員をしています。「ぶんぶん」は出身校のマスコットキャラクターの名前です。

進路指導の経験が長いので、高校三年の間でこの時期にこんなことを考えたら、といったことを綴っていこうと考えます。進学で困っている生徒さんや、生徒への声かけで困っている先生方に読んで頂ければ幸いです。

 

初回のお題はタイトルの「ぶんぶん」の由来「文武両道」についてです。

 

 「文武両道」はどこの学校でもよく使われる言葉です。私の住む県の多くの高校では部活動の加入率が90%を超え、「帰宅部」は少数派です。

 しかしこの「文武両道」、よく定義されずに、それぞれがそれぞれの考える意味で使っているような気がします。

 私の県の「進学校」(9割以上の生徒が大学進学を目指す)と呼ばれる学校では、従来は二年生の三学期までには部活を引退していましたが、最近は三年生の最後の大会まで引退しません。運動部の多くは5月末のインターハイ予選まで、一部は夏休みの公式戦終了まで引退しない生徒もいます。

 私も部活動の顧問をしていますし、部活動の教育効果は了解しています。私の関心事はどういう状態を「文武両道」と呼ぶのか、またその状態に達するためには具体的に何をするのかです。

 そこで「文武両道」を「松・竹・梅」に分類して定義していきたいと考えます。

 

 まず「梅」は、いわゆる「勉強と部活の両立」です。「勉強は嫌い、部活をしに学校へ来ている」は当然不可、「引退までは部活中心で引退後は勉強中心」でもない、「一年生から勉強と部活双方に力を入れている」状態です。授業中は勉強、放課後は部活に集中し、帰宅してからは予習や復習をこなす、テスト前の部活動禁止期間には勉強中心、大会前は部活中心の生活。メリハリとバランスが取れている状態です。

 しかし「梅」とはいえハードルは高い。部活が生活の中心になっている生徒の方が多数派です。また成績良好で一見両立できている生徒の中にも、校外模擬試験を受けるとさっぱり、という人がいます。部活でくたくた、勉強には手が回らない、試験発表中に猛烈に勉強してよい成績を取るが、テストが終わるとすべて忘れてしまう、というパターンを繰り返すからです。こういう生徒は範囲のある定期考査は大丈夫でも、大学入試を乗り切ることは難しいです。

 

 「文武両道」の竹は、「両立」から一歩進んで、「部活で学んだことを勉強に活用する」です。(続く)。