ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

フィールドワーク『源氏物語』宇治十帖

 人間ドックで「運動して体重管理しなさい」と叱られたので、最近ウォーキングをしています。

 そこで先日京都府宇治市の「宇治十帖スタンプラリー」に参加しました。

 『源氏物語』の「宇治十帖」に縁のある場所、約4.5kmを歩くことにしました。いわゆる「聖地巡礼」です(笑)。

 自宅を出て1時間30分、JR宇治駅に着きました。

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 「宇治十帖」は光源氏の次男(実は出生に秘密あり)薫が主人公です。光源氏の帖と作風が違うので別人の作品(今風に言うとキャラと設定を借りた二次創作)という説もあります。

 薫が宇治で隠遁生活を送る光源氏の異母弟八宮に会いに行った時に、その二人の娘(大君と中君)に惹かれます。八宮は亡くなり、姉の大君は薫と妹中君との結婚を望みますが、大君を気に入った薫は中君を友だちの匂宮(光源氏の孫)の妻にして大君に迫ります。しかし大君も亡くなってしまいます。

 第47帖「総角」(あげまき) 大君の心痛をうたった「あげまきに長き契りを結びこめ同じところによりもあはなむ」の古蹟。

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 その後匂宮は左大臣の娘と政略結婚します。薫は中君に言い寄った時に大君に似た異母妹の浮舟と出会います。薫は浮舟を気に入りますが、匂宮が割り込んできたので(さすがは光源氏の孫(笑))薫は彼女を宇治にかくまいます(第50帖 東屋)。

 宇治川から支流をさかのぼって現在の三室戸寺にかくまったようです。途中にそれらしい川の名残がありました。

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 ところがそれに気づいた匂宮が宇治を訪れ、闇に紛れて薫のふりをして浮舟とエッチしてしまいます。二人の間で板挟みになった浮舟は入水自殺を図ります(第51帖 浮舟)。

 宇治川の中州です。「橘の小島の色はかはらじをこのうき舟ぞゆくへ知られぬ」とうたわれています。

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 浮舟の亡骸は見つからないまま葬儀は行われ、落胆した薫は蜻蛉を見つけて歌をよみます(第52帖 蜻蛉)。縁の場所はほとんど住宅街でした。

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 ところが浮舟は僧侶に助けられて一命を取り留め、そのまま出家します。その話を聞きつけた薫は浮舟に手紙を書きますが「人違い」と拒絶されてしまいます(第54帖 夢浮橋)。

 浮舟の弟との手紙の受け渡し場所が宇治橋で、紫式部の像がありました。

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 最終日だったのでとにかく人が多く、自分のペースで歩けません。しかも沿道には誘惑がいっぱい(笑)。ばりばりのジョガースタイルでアイスをおいしそうにほおばる人もいました。うらやましい。

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 スタンプをコンプリートしたのでバッジと、くじ引きで絵はがきをもらいました。抹茶菓子詰め合わせが欲しかったです(運動が台無し)。

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 宇治市はアニメ『響け!ユーフォニアム』の「聖地巡礼」の地でもあるそうです。

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