ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

「木製艦船」展@長浜市2017

 先日滋賀県長浜市で手作りの木製艦船の展示を見学しました。

 会場は「Cafe&Pub LONDON」の2階レンタルスペースです。

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twitter.com

 

 

 会場に展示されていたのは次の13点です。

航空母艦:赤城 飛龍 瑞鶴 大鳳 ジョージ・ワシントン

戦艦  :大和 武蔵(外に展示) 榛名

航空戦艦:伊勢

重巡洋艦妙高 鳥海 青葉

駆逐艦 :雪風

 製作されたのは「びわ湖モデラーズクラブ」に所属する細江恒夫さん(75)で、元大工さんだそうです。

 一部を紹介します。一階の喫茶店もいい雰囲気です。

 

赤城

 元来は巡洋艦として設計されましたが、完成前の1922年にワシントン海軍軍縮条約が締結、主力艦の保有トン数が制限されたので(ワシントン会議はテストに頻出)航空母艦に改造されました(当初は三段甲板。ガミラスの空母?)。

 1942年のミッドウェー海戦で急降下爆撃機の攻撃を受けて航行不能となり、雷撃処分されました。 

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飛龍

 ミッドウェー海戦で最初の攻撃を1隻だけ免れ、ヨークタウンを大破させて一矢報いますが、米軍の攻撃を受けて沈没しました。

 艦載機を甲板から格納庫に収納するエレベーター部分が上下に動きます。また艦載機(すべて手作り)には小型のモーターが入っていて、プロペラが回ります。通電の仕掛けを実際に見せていただきました。

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伊勢

 元々は戦艦でしたが、ミッドウェー海戦後に後部に航空機用作業甲板、格納庫、射出機を設け、航空戦艦へと改装されました。レイテ沖海戦では「囮作戦」の瑞鶴を護衛しました。呉で停泊中に米軍の攻撃を受けて大破しました。

*発展:『宇宙戦艦ヤマト』テレビシリーズ2に主力艦の後部甲板を改装した航空戦艦が出てきて、「おお、伊勢だ!」と思った覚えがあります。他にも白色彗星帝国の機動部隊の司令官が「バルゼー」など、太平洋戦争の小ネタが出てきます。

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雪風

 唯一終戦まで生き残った駆逐艦です。魚雷発射管が丁寧に再現されています。

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 このブログを書くためにレイテ沖海戦について調べ直しました。

 太平洋戦争中最大の海戦ですが、すでに航空兵力を損耗し制空権がない日本海軍はアメリカ軍の激しい攻撃を受け、戦艦3(武蔵)、空母4(瑞鶴)、重巡6(鳥海)、軽巡3、駆逐艦9を失い、戦死者は約7,500名を数えました。

 この敗北によって連合艦隊は壊滅、以後組織的な抵抗ができなくなります。

 生還した伊勢、榛名、青葉も呉で停留中に米軍の攻撃を受けて多数の将兵が戦死しています。

 

 細江さんは鎮魂の思いでこれら模型を作っているそうです。

 私の連れ合いの祖父の兄は旧制中学卒業後海軍に入隊し、19歳の時に乗艦が雷撃を受けて戦死したそうです。

 すでに終戦から72年、大戦を実体験している人は少なくなりつつあります。私の両親は昭和ヒトケタ生まれで小さい時に散々戦争の話を聞かされました。

 月並みですが、色々な方法で戦争を語り継いでいくことが必要だと感じました。

 

 「ブログに載せていいですか」というぶしつけなお願いに快く許可を頂き、ありがとうございました。


 展示は8月27日(日)まで(木曜定休日)、入場無料です。

 

 

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 ジョージ・ワシントン 数年前まで横須賀を母港にしていた現役の原子力空母です。戦争と平和は過去のことでも他人事でもありません。

2020年度の「大学入学共通テスト」について考える(1 マークと記述)

 2017年7月13日に文部科学省から「高大接続改革の実施方針等の策定について」が発表されました。いよいよ2020年度からの「新テスト」の概要が明らかになってきました。

 

高大接続改革の実施方針等の策定について(平成29年7月13日):文部科学省


 一、二年生向けの「高等学校基礎学力テスト」は「高校生のための学びの基礎診断」に、受験生向けの「大学進学希望者学力評価テスト」は「大学入学共通テスト」となりました。

 英語については、2023年までは「共通テスト」の英語試験が民間の認定試験と平行して実施されます。

 この「大学入学者選抜改革」は「高校教育改革」と「大学教育改革」とセットになっています。

*発展:「高校教育改革」は「教育課程の見直し」「学習・指導方法の改善と教員の指導力の向上」(アクティブ・ラーニングは「主体的・対話的で深い学び」に)「多面的な評価の推進」、また「大学教育改革」は「三つの方針」(アドミッション→カリキュラム→ディプロマの3ポリシー)の公表の義務化、です。


 今回はこの「新テスト」について、文部科学省の資料を参考に解説します。

 

 

1 何で「入試改革」?

 

 現行の学習指導要領では、子どもの「生きる力」は「知識、技能」「思考力、判断力、表現力」「主体的に学習に取り組む態度」、いわゆる「学力の三要素」からなる「確かな学力」をバランスよく育成することで育まれるとしています。

 学校現場には従来の「知識伝達」ではなく「話し合い活動」や、調べたことや考えたことを発表し合う「言語活動」、「探究的な学習」に取り組むことが求められました。いわゆる能動的学修(アクティブ・ラーニング)です。

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次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(案) - 文部科学省

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/08/22/1376199_2_1.pdf#search=%27%E6%96%87%E9%83%A8%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%9C%81+%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E8%A6%B3%27

 

 しかし、2014(平成26)年10月16日「高大接続特別部会における答申(案)取りまとめに向けた要点の整理(中央教育審議会高大接続特別部会(第20回)資料1)」は、高等学校の問題をこう指摘しています。

 

 いわゆる「進学校」は、「学校の教育目標が選抜性の高い大学への入学者数を競うことに偏っている場合」(国立至上主義?)、受験のための教育に終始するため主体性が育まれない、そのため「社会の現場をリードするイノベーションの力を大学において身に付けることは難しい」としています。

 またいわゆる「進路多様校」は、「少子化の進展等により大学への入学が一般的に容易になっている」ために、生徒は目標に向けて懸命に努力しなくても大学に進学できてしまう、そのため「主体性や学修のための明確な目標が不足しているため、大学においてもそれができない」としています。

 

 こうした現状から課題として浮かび上がってくることは、高等学校においては、小・中学校に比べ知識伝達型の授業に留まる傾向があり、学力の三要素を踏まえた指導が浸透していないことである。ここには、一般入試においては、知識の再生を一点刻みに、一度限りの結果で問う評価から転換し切れていないこと、またAO入試、推薦入試の多くが本来の趣旨・目的に沿ったものとなっておらず、単なる入学者数確保の手段となってしまっていることなど、現行の多くの大学入学者選抜における学力評価が、学力の三要素に対応したものとなっていないことが大きく影響していると考えられる。

 

 さらに、大学教育の問題点についても指摘しています。

 

 大学教育については、我が国の大学生の学修時間は米国と比べて依然として短く、授業の形態についても、一方的な知識の伝達・注入のみに留まるものが多く見受けられる。大学教育において学生にどれだけの付加価値をつけて社会に送り出せているかという観点からは、依然として社会からの厳しい評価があり、国民、とりわけ学生や経済界は、大学教育の現状に満足しているとは言い難い。また、大学教育の場が、多様な学生が切磋琢磨する環境となっておらず、主体性を磨くことなく、自ら目標を持ってそれを実現していく力を身に付けないまま、社会に出る学生も多い。
  大学において育成すべき力とは何かを明らかにした上で、大学入学者選抜や高等学校教育との連携の在り方を変えていかなければ、大学入学のその先を見据えた、自らの人生を切り拓くための目標を高校生に持たせることも難しい。

 

資料3 高大接続特別部会における答申(案)取りまとめに向けた要点の整理(中央教育審議会高大接続特別部会(第20回)資料1):文部科学省

 

 つまり大学は経済界が求める人材を育成できていない→それは大学教育に問題があるから→それは高校が大学で通用する人材を育成していないから→それは大学入試が知識偏重だから、という具合です。

 だから「高校教育改革」と「大学教育改革」と「大学入学者選抜改革」を一気にやってしまおう、ということです。

 

*発展1:私は、高校で暗記→大学で「ものの考え方」→現場で「実践」とその都度「スクラップ・アンド・ビルド」した世代で、会社は学生を企業人として育て直していました。

(「ブラック企業」の社員の自尊心を傷つけて反抗する気力をなくさせるのは教育ではありません)。

 企業はグローバル化や国際競争で社員を教育している暇がない、だから大学に「完成品」を求める、そこで大学も高校に「完成品」を求める、ということでしょうか。

 


2 「高校生のための学びの基礎診断」

 

 「AO入試や推薦入試の学力担保」という話もありましたが、最終的には「文部科学省が一定の要件を示し、それに即して民間の試験等を認定する仕組みを創設する」となりました。

 つまり入試には活用せず、各高等学校で「基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルを構築するため」に「業者のテスト」を使ってください、ということです。

 ただし「業者のテスト」はこれまでの高大接続改革で示された条件(国数英、一部記述式、英語は4技能、知識・技能が中心だが他もバランスよく出題、結果は段階表示)を満たしたものを文部科学省が「高校生のための学びの基礎診断」のひとつと認定するそうです。

 
これって高校で実施しているあの会社のアレ?

(しっ! 声(以下略))

 


3 「大学入学共通テスト」

 

a 概要

 2020年度(2021年度入試)から実施、日程と出題教科・科目は当面センター試験と同じです。

 内容は、知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行います。

 数学と国語ではマークシート方式に加えて記述式を導入(理科と地歴・公民は新課程後)します。英語は4技能を評価し、2023年までは民間の資格・検定試験と共通テストの英語を大学が選択利用(どちらかor両方)できるようにします。

 記述問題の作問と採点は大学入試センターが行います(採点は民間業者を活用)。

 成績は、マーク部分は現行より詳細情報を提供、記述式は段階別評価を予定しています。また国語の成績は従来の「近代以降」「古文」「漢文」ではなく「国語」として一括提供することを検討しています。

 

モデル問題

www.dnc.ac.jp

 

b マークシート式問題

 

 思考力・判断力・表現力をより重視した作問をするそうです。

 具体的には複数のテクストや資料から情報を読み取る(TOEIC(R)のダブルパッセージ。センターの英語で既出)、正解が複数ある(世界史のサンプル問題)などです。

 今回発表された現代文の問題は、「触覚」と「聴覚」を言語化した短歌に関するふたつの文章を読み(問1は語句の意味、問2~問4は内容理解)、その両方を含む短歌をグループ学習している生徒の考察について適するものを選ばせる(問5)ものです。

 ダブルパッセージにアクティブ・ラーニングの場面と出題形式は目新しいですが、従来の評論文も二項対立の整理が必須でした。発問に対する正答の根拠をテクストから拾うという手順、求められる知識や思考力もセンター試験と大差がないように思います(個人の感想)。


 大きな変更点は問題例2で、『平家物語』とそれを読んだ二人の対談を読んで、古典の解釈と、二人が古典をどう読んでいるかの両方が設問になっています。

 ただ「複数のテクストを読む」「現代文と古文を融合する」「対話文を読む」など形式面の目新しさで頑張りすぎた?ためか、古文の解釈部分は知識問題にとどまっている印象です。これなら普通に古文を読解した方が頭を使います(個人の感想)。

 「深い学び」は学校の「アクティブ・ラーニング」に任せて、試験問題までその形式にこだわる必要はないと思います。

 


c 記述式問題

 

 5月に国語と数学の問題が公表されています。

 国語のモデル問題1は、「街並み保存地区景観保護ガイドライン」・父と姉の会話・提案書を読んで、情報を取り出したり、対立点を整理したりする問題です。また問4は景観保護に肯定的な姉に賛成する立場で文書から情報を取り出す問題です。

 モデル問題2は「駐車場契約にまつわるトラブルの回避」についてです。契約書と大家さんの言説の矛盾点、契約書の曖昧な点を論理的に見つけます。いわゆる「クリティカルシンキング」です。


 記述式ですが自分の意見を書くわけではなく、誘導に従って提示されている文章からその根拠を拾って文章にする「条件記述」です。

 記述問題は点数化せず「3~5段階で評価」の予定ですが、サンプル問題は「すべての条件が満たされている解答のみ配点」になっています。

 やっぱりテストでは「多面的な評価」より客観性?

 

 

まとめ

 

 国語の新テストは、「読み物」だけでなく「実務的な文章」や「議論」を読解する、日本語運用能力がより問われる形式になりました。

 記述式は誘導がちゃんとあり、「正答の条件」と複数の「解答類型」が用意されているので、採点がぶれないようになっています。

 基本は高校の国語総合の学習内容です。一つの文章を精読するだけでなく関連する図書にもあたる、正解のない話題について討論するなど、他教科、総合学習、人権LHRなどに真面目に取り組むのが高得点の近道のようです。(つづく)

 

私立大学が公立化?(2 メリットは?)

 地方私立大学が次々と公立化しています。その秘密に迫ります。

 

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  いらすとやさんの地図を加工しました。

 

前回

bunbunshinrosaijki.hatenablog.com

 

 

3 公立化のメリット

  

a 定員割れから脱却

 

 福知山市の資料によると、高知工科大学では2008年 745人→ 2009年(公立化) 5,812人→ 2010年3,242人と急増、他大学でも公立化後に受験者が増加しています。

 

http://www.city.fukuchiyama.kyoto.jp/shisei/docs/%E2%91%A3%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E8%B3%87%E6%96%99%E3%80%90%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%EF%BC%91%EF%BC%94%E3%80%91.pdf#search=%27%E7%A7%81%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6+%E5%85%AC%E7%AB%8B%E5%8C%96+%E6%8E%A8%E7%A7%BB%27

 


 福知山公立大学も倍率が2015年1.0倍から公立化初年度の2016年(私立型入試)に11.8倍と上昇しました(旺文社パスナビ)。

 2017年(国公立型入試)からは定員を50人から120人に増やし、志願者926人を集めました(大学HP)。

 山陽小野田市立山口東京理科大学は2017年度(国公立型入試)から中期日程(工学部では貴重)を実施し、定員26人に992人が志願しました(大学HP)。

 

 

b 「地元愛され度」が上昇

 

 ある大学の広報から聞いた話ですが、公立化してからインターンシップの受け入れ先が急増したそうです。「私の街の大学」という意識が高まったといえます。

 静岡文化芸術大学は、JR浜松駅地下で学生がオープンカフェを運営したり、中山間地域耕作放棄地でゼミ生が棚田で米作りをしたりして、地元の人と交流し、地域が抱える課題に向き合う取り組みを行っています(大学案内)。

 

 

c 地元負担が増えるのでは?

 

 国立大学の場合は「運営費交付金」が国から、私立大学の場合は「私学助成金」が私立学校振興・共済事業団経由で法人に入ります。

 

*発展 国立大学は法人化以降、競争的経費の拡大や職員の削減など改革を迫られましたが、文部科学省は2016年度から86の国立大学を「世界最高水準の教育研究」「特定の分野で世界的な教育研究」「地域活性化の中核」の3グループに分類し、グループ内で高い評価を得た大学に対して運営費交付金を手厚く配分するとしています。世知辛いです(笑)。


 一方公立大学については、基準財政需要額や単位費用など様々な係数をかけて学生一人当たりの経費を算出し、その金額が総務省から自治体に「地方交付税」として納付され、自治体から公立大学(法人)に渡されています。

 

 「公立大学」というと県民・市民の税金が使われているように思えます。

 確かに開学時はかなりの額の「持ち出し」が発生します。「公設民営」は大学の施設一式を自治体が用意します。「公私協力」の場合も、上述の福知山市のように私立大学を誘致する際に自治体の予算が投入されます。

 しかし、大学を運営するための経常経費については国からの地方交付税と学生からの納付金で主に賄われます。 

 

 鳥取市の資料によると、鳥取環境大学の2009年度決算額(定員充足率54%!)のうち、授業料等の収入が791,427,000円(収入の49.5%)、私学助成金が189,352,000円(同11.8%)で、内部留保を取り崩す状態でした。

 公立化した場合の試算では(充足率100%の場合)交付金が1,035,399,000円(同58.7%)、私学助成金と桁が一つ違います!

 

出典:公立化前後の収入構造の比較    鳥取市HP

 

鳥取市公式ウェブサイト:鳥取環境大学の公立大学法人化への取組について

 

発展 経費の算出方法

http://rihejoho.hiroshima-u.ac.jp/pdf/ron/47/116121.pdf#search=%27%E9%B3%A5%E5%8F%96%E5%B8%82+%E5%85%AC%E7%AB%8B%E5%8C%96%E5%89%8D%E5%BE%8C%E3%81%AE%E5%8F%8E%E5%85%A5%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83%27

 

 

 この交付金のおかげで授業料を国立大学並みに設定できます(年間約50万円。私立理系学部の約1/3)。だから学生が増える、自治体の腹は「公立化移行」そのものではさほど痛まない。

 

 ん? いいことずくめ??

 (しっ! 声がでかい(笑))

 

 あれ、地方交付税って国のお金です。それにしては県外者の入学金が割高です。初期投資の回収分だと思われます。

 


d 難易度

 

河合塾が予想する各大学の入試難易度(前期 抜粋)

ボーダー得点率=合格確率50%

科目数は各大学HP

大学 学部 センター教科-科目数 ボーダー得点率 二次試験教科数
高知工科 システム工A 5-7 57% 2
名桜 国際B 2(3)-3 57% 1
静岡文化芸術  文化政策 3(4)-4 69% 2
公立鳥取環境 環境B 3-3 61% 1
山陽小野田市立山口東京理科 工 機械A 5-7 51% 2
福知山公立 地域経営3教科型 3-3 67% 小論文
長野 環境ツーリズム 3(4)-4 60% 小論文

 

出典

www.keinet.ne.jp

 

 

 センター試験は平均点が約60%になるように作られています。各県の国立大学に比べれば手が届きそうな難易度です。

 また私立大学の名残りで、センター試験5教科に加えて3~4教科で受験できる入試方式もあります(教科数が少なければボーダー得点率は高くなる傾向)。

 だから「国公立であれば全国どこでも行きます」「3教科で受験できる国公立ありませんか」という人に合格のチャンスがあります。

 「国立至上主義」の先生も「出願指導」の選択肢が増え、高校の国公立大学合格者数の増加が見込まれます。

 

ひょっとしたらみんなが幸せ??

 (しっ!声(以下略))

 

*発展 2017年度の福知山公立大学、全国から志願者を集めましたが、入学者が地元京都(12人)を上回ったのは兵庫県と愛知県(各14人)でした(大学HP)。

 

 

まとめ

 

  • 公立大学の大きな目的のひとつは地域の要望を踏まえた人材育成です。
  • 私立から公立化した大学には、もとから公立大学のような大学と、自治体が誘致した大学とに分類できます。
  • 公立化の契機は定員充足率の低下と地独法ですが、公立化の際に地元と話し合い、教育内容の見直しが行われています。
  • 地方交付金のおかげで授業料が安くなり志願者は増加して財政面が改善、地域との連携も順調と、公立化による好循環が生まれているようです。

 

 

感想 

 

 少子化が進む中で多くの地方私立大学は定員割れしています。

 露骨な言い方をすると、「地方私立大学の公立化」は生き残りの「手段」としては資格系学部新設よりもはるかに強力です。

 なぜなら受験生の保護者(私も)にとって当面最大の課題は学費です。資格系学部は授業料が高額、将来の就職の保証も100%ではありません。

     

 しかし今後すべての地方私立大学が公立化するのはおそらく無理です。地方交付税も無尽蔵ではありません。いつか必ず限界が来ます。

 

 私立大学の淘汰はある程度仕方がないでしょう。とはいえ先日の答申のように23区の大学の入学者を規制すれば地方の私立大学に人が集まるとも思えません。

 所在地に関わらず「知の拠点」になり得る私立大学を育成する一方、保護者負担を軽減する別の支援(奨学金など)を考える必要があると感じました。

 

 

おわりに

 

 静岡文化芸術大学は、担当者が毎年私の勤務校を訪れ、単位がやばくなった卒業生の三者面談までしていただき(実話)感謝しています。浜松のキャンパスにも行きましたが、非常に意欲的な取り組みをされています。

 私立大学であれ公立大学であれ、やはり「行きたい!」と思える教育内容から大学を選びたいです。