ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

虫を食べる植物展@咲くやこの花館2019

 高校生は夏休みといっても補習に部活、昨今は「課題研究」のための実験をしているグループもいます。

    先生方もほぼ毎日学校にいます。私もこのところ「英語民間検定を共通テストに利用する」穴だらけの制度の情報収集に忙殺されています。

 

これ

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 ある先生が担当する班が食虫植物を調べているので、理科好きの先生たちと大阪市鶴見緑地にある「咲くやこの花館」で開催中の「虫を食べる植物展」に行ってきました。

 

公式HP

www.sakuyakonohana.jp

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 食虫植物とはその名の通り虫を捕まえる植物ですが、他の植物と同じように光合成を行って生きています。

 食虫植物が自生している場所は栄養(窒素やリン)が乏しい土地です。根から吸収した養分だけでは足らないので虫を捕まえて分解し、栄養を補っています。サプリメント

 

1 ウツボカズラ

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 ウツボカズラはネペンテス属の食虫植物で、ボルネオなど熱帯に生息しています。

    葉の先に『捕虫嚢(ほちゅうのう)』と呼ばれる袋状のものを付けていて、この中に虫を落とし込んで分解し、養分を得ます。ふーん、花じゃないんだ。

 ネペンテス属はジャングルから冷涼多湿の山岳地帯に自生するものまで多様です。ウツボカズラを展示する熱帯花木室の温度は34度!ε-(・´ω`・;A  気が遠くなりそうでした。

 

2 ミノール

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 サラセニア属は筒状の捕虫葉(瓶子体)を持ち、葉中には消化酵素バクテリアがあり、その中に落ちた虫は分解されて養分として吸収されます。

 写真は高山性の食虫植物の植え込みで、左側手前、小さめの筒状がミノールです。展示室はエアコンがキンキンに効いています。┏(((卍))) (´ω`o) 動けません。

 

3 ダーリングトニア

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 同じくセラセニア属です。入口は下にあり、虫が入り込むと「やばい!」と思って、光を感じるコブラの頭みたいな上部から脱出しようとします(別名が「コブラリリー」)。それが罠で、何度も壁にぶつかり疲れて終了という意地悪な構造です。

 

4 ハエトリグサ

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 ハエトリグサは葉先にトゲがついた二枚貝のような葉で虫を誘い込みます。誘い込まれた虫が葉の内側にある感覚毛と呼ばれるセンサーに2回触れると、葉がパッと閉じて虫を捕まえます。

 この運動には膨大なエネルギーを要します。1回触っただけでは単なる「事故」の可能性があります。それで2回目に「ぱくっ!」と行くわけです。

*発展:ハエトリグサは観賞用に販売されていますが、面白がって指で突っついてパカパカさせると弱って枯れてしまいます。葉が閉じるところを見たければ餌をあげましょう。タダ働きをさせてはいけません。ん?教員のタダ働きを前提にした英語民間検定があるらし(以下略)。

 

まとめ

 食虫植物は育てるのが難しいものもあり、図鑑で見ることがあっても現物を見る機会は少ないです。虫を捕る戦術も様々で興味深いです。

 会期は9月23日まで、8月27日から一部展示替えがあります。夏休みのお出かけ先にどうぞ(館内の寒暖の差注意)。

 

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 小学生向けの調べ学習スペースがあり、20代女子教員が夢中で色塗りしていました。好奇心は学問の核心です。