先日職場の人たちと大阪市東住吉区(長居公園内)にある大阪市立自然史博物館の特別展「きのこ!キノコ!木の子!~きのこから眺める自然と暮らし~」に行ってきました。
「きのこ」は生物学的には菌類のうち大型のものを指します。
カビときのこは見た目は全く違いますが、きのこの根本にはカビと同じように菌糸が広がり、胞子を作って増えていきます。
スーパーに並んでいるきのこ。野菜コーナーはさながら博物館です。
食用のきのこではシイタケが有名ですが、栽培が始まったのは明治以降です。
「シイタケ」の名の通り主にシイの木に生えていたのです、木炭の原料になるクヌギの木が富国強兵の観点から国策で植林されると、クヌギに人工的に菌糸を打つシイタケの栽培が始まります。
マツタケは名前の通り生きた松と共生するきのこです。
きのこには枯れ木や草を腐らせて生きる腐生菌(マイタケなど)、他の生き物に入り込み一方的に栄養分を奪う寄生菌(エリンギなど)、他の生き物と共生関係を保って栄養分を得る共生菌に分類されます。
マツタケは共生菌の中でも松の根から栄養分を得る共根菌なので、落ち葉が多い環境だと他のきのこに負けてしまいます。
だから栽培するのが難しく、マツタケが好む禿げ山や荒れ地が近年減少しているので個体数も減りつつあります。
寄生菌といえば漢方薬で有名な「冬虫夏草」です。冬には虫の形をしていたのが夏に草みたいになるからだそうです。ヒイィィィ!!!!(゚Д゚ノ)ノ
[きのこ鍋食べた~い!」と調子よく見学していた虫が苦手な同行者は、このブロックはギブアップ。≡≡≡=(ノTдT)ノ ワアァァ・・!!
きのこは大きく27種類に分類できます。見分けるポイントはこんな感じです。
きのこは食べられるものは限られていて多くは毒を持っていますが、それを何らかの法則で見分けるという訳にはいきません。
「色がきついものは毒がある」と言われますが、ニセクロハツは地味ながら致命的な毒を持っています。
これは「ツチアケビ」で葉緑素を持たず、きのこから栄養分をもらっています。またきのこを食用にするスズメバチも展示されていました、面白すぎます。
最後のコーナーはきのこのスケッチでした。
きのこの研究は観察・記録(スケッチ)・標本が中心です。スケッチの多くが在野の研究者のもので、その気になれば誰もが参加できる垣根の低さが魅力です。
まとめ
生物学というと最近は細胞やDNAなど実験室の学問というイメージですが、原点は博物誌です。
私たちが知っていることはほんのわずか、自然界には未知なものが無数にあります。それを発見すること、その知られざる生態を明らかにすることは理屈抜きに楽しく、まさに自然科学の醍醐味です。
一緒に行った理系の若い人たちは目が輝いていて、見学していたらあっという間に2時間近く経ちました。
役に立つとか立たないの前に、学問はまず好奇心と探究心です。そればっかり言っていると飯の食い上げですが(笑)。
会期は10月21日(日)まで。お早めに。
さっそく帰りに近所できのこを発見。
よく言う「サルノコシカケ」ですが、実は色、形、大きさが違うものが多数あります。うーん「ホウロクタケ」が一番近そう?
それはそうと、食べられるかな? (+_+ )☆\(-.-メ) ハナシキイテタッ!