ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

2020年度からの大学入学共通テスト(2019年10月 成績提供システムを使う国公立大学)

 大学入学共通テストの目玉、英語の外部検定を入試に利用することに対する反対のデモが、文部科学省前だけでなく、国大協前や北海道でも行われています。 

 

ハーバー・ビジネス・オンラインの記事

 

 国会議員もようやく新しい入試制度を問題視し始めました。

 野党合同ヒアリングで意見を述べた高校生は、学習指導要領が求める知識、思考・判断、表現力を駆使して制度の欠陥を的確に指摘しましたが、文部科学省は丸暗記と「大人が決めたことは守りなさい」的な態度に終始し、ヒアリングは対話的で深い学びにはほど遠いものでした。


第2回 英語民間試験導入問題 野党合同ヒアリング

*国会議員さんには「入試の不公平さ」という部分だけでなく、背後にある「教育の利権化=税金の使い方問題」について鋭いメスを入れてほしいです。

 

 こうした中で、文部科学省は「英語成績システム」への参加を表明していない大学に9月末までに返答するように迫り、その結果が10月4日(金)に「文部科学省ポータルサイト」に掲載されました。 

www.mext.go

 

日本経済新聞電子版の記事

www.nikkei.com

 

 しかしこの「利用予定大学一覧」は大学名だけで、何がどうなのかさっぱりわかりません。

 ちょうど河合塾のサイトで。9月末現在の検定利用状況がアップされていたので、文科省の発表にそれを合体させてみました。

 今回は文科省が発表した大学の一般入試における英語検定の利用方法をまとめます。資料が多いので、忙しい人は必要なところだけ見てください。

 

参考

www.keinet.ne.jp

 

利用予定大学の定義 ポータルサイトより 

f:id:tokoyakanbannet:20191005190914p:plain

凡例

「提出」

必:検定は必須

任:提出は任意で提出されれば加点

高:提出は任意で提出されれば共通テストの英語と比較して高得点採用

理:検定のスコアが提出できない場合は理由書を提出

証:学校長の成績証明書で代替可能

×:英語認定試験を利用しない

 

「出願資格」

●:成績提供システム経由の検定を出願資格として利用

▲:上記以外の方法でも出願可能

「CEFR基準」

出願の基準が判明している大学は欄にCEFRレベルを記載、出願資格ではあるがCEFRレベルは問わない場合は「-」 

「点数化して利用」

●:英語認定試験の提出を必須とし、得点に換算して合否判定に利用する

▲:英語認定試験の提出が任意

「配点」

最大の配点

「備考欄」

利用方法の補足

 

1 国公立大学128校 一般入試の詳細

No 大学(学部等) 日程 提出 出願資格 CEFR
基準
点数化して利用 配点 備考
 
 
1 北海道教 前・後     40 共通テスト英語(200~400点)を上限に加点
※共通テスト英語の配点は学科・専攻により異なる
2 室蘭工業 前・後        
3 小樽商科(昼-数学重視枠) -      
3 小樽商科(昼-数学重視枠を除く) 前・後 -   共通テスト英語(200点)を上限に加点
4 帯広畜産 前・後 A1      
5 旭川医科(医-医) 前・後 A2     やむを得ない事情がある場合は、高等学校等による証明書での代替可
5 旭川医科(医-看護) 前・後 A1     やむを得ない事情がある場合は、高等学校等による証明書での代替可
6 北見工業 前・後     ※前期50点、後期40点(未提出は0点)
7 弘前 前・後     40 配点は共通テスト英語200点の場合
8 岩手 前・後        
9 宮城教育 前・後 A1      
10 秋田 前・後     ※配点は英語全体の満点の2割
11 山形(地域教育、医-医) 前・後 A2      
11 山形(医-看護) 前・後 A1      
11 山形(農) -      
11 山形(農) A2      
11 山形(人文社会、理、工) 前・後        
12 福島 前・後     40 配点は共通テスト英語160点の場合
13 茨城 前・後     50 配点は共通テスト英語250点の場合
14 筑波 前・後     20  
15 宇都宮 前・後     50 配点は共通テスト英語250点の場合
16 群馬 前・後     20 共通テスト英語(200点)を上限に加点
17 埼玉 前・後 A2     高等学校等による証明書での代替可(いずれも提出できない場合、理由書の提出で出願を認める場合がある)
18 千葉 前・後 A2   ※取得スコアによりさらに点数化して2次英語に加える学部あり
19 東京 A2     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
20 東京医科歯科 前・後 A2     高等学校等による証明書での代替可
21 東京外国語 前・後 A2      
22 東京学芸 前・後     40 配点は共通テスト英語160点の場合
23 東京農工 前・後 A2     英語認定試験を受験できずに出願資格を証明することができない場合、理由書の提出を求める
24 東京工業 A2 30 英語認定試験は2次で利用(配点は筆記試験120点、英語認定試験30点)
25 東京海洋(海洋工) 前・後 A1     成績を提出できない場合は、理由書での代替可
25 東京海洋(海洋工を除く) 前・後 A2     2020年度入試の出願要件を満たしている場合も出願資格として認める
26 お茶の水女子 前・後 A2     英語認定試験を受験できず出願資格を証明することができない場合には、その理由を申し出ること
27 電気通信 前・後 A2      
28 一橋 前・後 A2     高等学校等による証明書での代替可(いずれも提出できない場合、理由を提出すること)
29 横浜国立(経済) 前・後 A2      
29 横浜国立(経営、理工、都市科学(都市社会共生を除く)) 前・後 A1      
29 横浜国立(教育) A1 0.2 英語の配点全体に対して20%を上限に点数化
29 横浜国立(都市科学-都市社会共生) 前・後 A1 0.2 英語の配点全体に対して20%を上限に点数化
30 新潟 前・後     40  
31 長岡技術科学     40  
32 上越教育 前・後 A1      
33 富山 前・後     200 共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
34 金沢(人間社会(人文、法、国際)、医薬保健-医) A2     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
34 金沢(文系一括、人間社会(経済、学校教育、地域創造)、理系一括、理工、医薬保健(医を除く)) A1     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
35 福井(国際地域) 前・後 A1 - やむを得ない理由で英語認定試験を受験できない場合は、理由書での代替可(その際英語力は調査書により確認)
※C1以上は共通テスト英語を満点とみなす
35 福井(国際地域を除く) 前・後 A1     やむを得ない理由で英語認定試験を受験できない場合は、理由書での代替可(その際英語力は調査書により確認)
36 山梨(教育、医-看護) 前・後 A1      
36 山梨(工、生命環境) 前・後 A2      
36 山梨(医-医) A2      
37 信州(教育-英語教育) 前・後 A2 20  
37 信州(教育-英語教育を除く) 前・後     20  
38 岐阜(医-医) 前・後 A2      
38 岐阜(医-医を除く) 前・後        
39 静岡 前・後     50 配点は英語全体の満点250点の場合
40 浜松医科 前・後 A2     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
41 名古屋 前・後 A2     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
42 愛知教育 前・後     40 配点は共通テスト英語250点の場合
43 名古屋工業 前・後     20 配点は共通テスト英語200点の場合
44 豊橋技術科学        
45 三重 前・後     0.1 共通テスト外国語で「英語」以外の科目を選択した場合は、英語認定試験の受験を必要としない
共通テスト英語の成績に外付けで加点
46 滋賀 前・後 A2      
47 滋賀医科 A1     英語認定試験を受験できずに出願資格を証明することができない場合には理由書の提出を求める
48 京都 前・後 A2     高等学校等による証明書での代替可
49 京都教育(教育-学校-英語) 前・後 A1   ※A2以上の場合共通テスト英語に加点
49 京都教育(教育-学校-英語を除く) 前・後 A1      
50 大阪 A2     大学の示す条件に該当する者は高等学校等による証明書での代替可
51 大阪教育 前・後     ※英語全体の満点に占める割合を 1~2割程度とし加点する
52 兵庫教育 前・後     50  
53 神戸 前・後 A2      
54 奈良教育 前・後 A1     高等学校等による証明書での代替可(いずれも提出できない場合、理由書の提出で出願を認める場合がある)
55 奈良女子 前・後 A2     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
57 鳥取(地域) 前・後     ※共通テスト英語の得点に満点の5%程度を上限として加点(共通テスト英語の満点は超えないものとする)
57 鳥取(工、医-生命科学 前・後     ※共通テスト英語の満点の2割程度を上限に点数化
57 鳥取(農-生命環境農、医-保健) 前・後     ※共通テスト英語の満点の1割程度を上限に点数化(農-生命環境農は共通テスト英語の満点は超えないものとする)
57 鳥取(農-共同獣医)        
57 鳥取(医-医) A2   ※共通テスト英語の満点の2割程度を上限に点数化
58 島根(医-医) A2      
58 島根(医-医を除く) 前・後        
59 岡山 前・後 -     英語認定試験の成績が提出できない場合、理由書の提出を求める
60 広島 前・後     - ※B2以上は共通テスト英語を満点とみなす
61 山口 前・後        
62 徳島(医-医、歯-歯、薬) 前・後 A2      
62 徳島(医-医、歯-歯、薬を除く) 前・後 A1      
63 鳴門教育 前・後        
64 香川(医-医) A2      
64 香川(医-医を除く) 前・後 A1      
65 愛媛(医-医) A2      
65 愛媛(医-医を除く) 前・後 A1      
66 高知 前・後 A1     認定試験を受験できなかった場合、高等学校等による証明書での代替可
67 福岡教育 前・後 A1      
68 九州 前・後 A2     成績が示せない理由書、高等学校等による証明書での代替可
69 九州工業 前・後        
70 佐賀 前・後       共通テスト英語の得点に加点(CEFRの段階に対し係数を設定し得点に乗じたものを加算)
71 長崎(多文化社会) 前・後 B1      
71 長崎(多文化社会を除く) 前・後 A2      
72 熊本 前・後 A1     障害を有するなどで英語認定試験を受験できない場合、その事情を確認できる書類等の提出により出願を認める場合あり
73 大分 前・後   20  
74 宮崎(地域資源創成、教育、工、医-看護) 前・後        
74 宮崎(農) 前・後 A1      
74 宮崎(医-医) 前・後 A2      
75 鹿児島 前・後       英語認定試験でスコア基準を満たした場合、共通テスト英語(リーディング、リスニングそれぞれ)の成績を次のように扱う。8割以上得点した場合は満点とみなす。8割未満の場合は得点を1.25倍する
76 鹿屋体育     40 配点は共通テスト英語160点の場合
77 琉球(医-医) 前・後 A2      
77 琉球(医-医を除く) 前・後       共通テスト英語と合わせた英語全体の満点の1割を上限として点数化(教育-小学-学校教育は英語全体の満点の2割程度)
78 釧路公立 前・中         調査書等の情報と合わせて合否判定時の資料として活用(提出は任意)
79 公立千歳科学技術 前・中        
80 札幌医科         利用(詳細未判明)
81 札幌市立 A2      
82 名寄市 前・後         利用(詳細未判明)
83 青森県立保健 前・後 A1 30  
84 青森公立       成績が提出できない場合は理由書を提出
85 宮城 前・後     50 配点は共通テスト英語200点の場合
86 秋田県 前・後     50 配点は、共通テスト英語がシステム科学技術150点、生物資源科学100点の場合
87 国際教養       共通テスト英語と比較し高得点の方を利用(等級を証明する書類での代替可)
88 秋田公立美術 前・中     50 配点は共通テスト+2次 950点の場合
89 山形県立保健医療         利用(詳細未判明)
90 山形県立米沢栄養 前・後        
91 福島県立医科 前・後        
92 茨城県立医療 前・後     - 配点は共通テスト英語80点の場合
※B2以上は共通テスト英語を満点とみなす
93 群馬県立県民健康科学       共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
英検、GTEC、TEAP、TEAP CBTのみ活用する
94 群馬県立女子(文) 前・後     ※共通テスト英語の1割程度
94 群馬県立女子(国際コミュ) A2 ※共通テスト英語の2割程度
94 群馬県立女子(国際コミュ) A2      
95 高崎経済(地域政策) 前・後        
95 高崎経済(経済) 前・中       2次の総点に加点
96 前橋工 前・後        
97 埼玉県立 前・後        
98 千葉県立保健医療        
99 横浜市 前・後         利用(詳細未判明)
100 新潟県      
101 長岡造形 前・中        
102 石川県立 前・後        
103 石川県立看護 前・後         利用(詳細未判明)
104 公立小松(国際文化交流) 前・中        
105 福井県立(経済) 前・後 A1     共通テスト外国語で「英語」以外の科目を選択した場合は、英語認定試験の受験を必要としない
105 福井県立(経済を除く) 前・後       「共通テスト英語+英語認定試験」と「共通テスト英語」のうち高得点の方を利用
106 山梨県立(国際政策、人間福祉-福祉コミュニティ) 前・後 A2      
106 山梨県立(人間福祉-人間形成、看護) 前・後 A1      
107 公立諏訪東京理科 前・中         利用(詳細未判明)
108 長野県立(グローバル) ×          
108 長野県立(グローバル)       ※B1以上を段階的に評価し、共通テスト英語の得点とは別に点数化する
108 長野県立(健康発達) 前・中 ×          
109 長野 前・中     40 配点は共通テスト英語160点の場合
110 長野県看護 前・後 ×         学校推薦で利用
111 岐阜薬科        
112 静岡県 前・中・後     ※共通テスト英語と合わせた英語全体の満点の2割程度とする(看護は共通テスト総点の2割程度)
113 静岡文化芸術(文化政策 前・後        
113 静岡文化芸術(デザイン) 前・後 A2      
114 愛知県立芸術(美術)        
115 名古屋市立(人文社会-国際文化) 前・後     20 「共通テスト英語(リーディング+リスニング)+英語認定試験」と「共通テスト英語(リーディング+リスニング)」のうち高得点の方を利用
115 名古屋市立(人文社会(国際文化を除く)) 前・後     20 共通テスト英語(リスニング)と比較し高得点の方を利用
115 名古屋市立(経済) 前・後     20 配点は共通テスト英語80点
115 名古屋市立(総合生命理)     30 配点は共通テスト英語120点
115 名古屋市立(芸術工) 前・後     40 配点は共通テスト英語160点
115 名古屋市立(医)     25 共通テスト英語(リスニング)と比較し高得点の方を利用
115 名古屋市立(薬)     10 配点は共通テスト英語90点
115 名古屋市立(看護)     40 高等学校等による証明書での代替可、配点は共通テスト英語160点
116 三重県立看護     10 配点は共通テスト英語90点の場合
116 三重県立看護     20 配点は共通テスト英語80点の場合
117 滋賀県 前・後 A1      
118 京都市立芸術 前・後       「共通テスト英語+英語認定試験」と「共通テスト英語」のうち高得点の方を利用
119 福知山公立 前・後         利用(詳細未判明)
120 大阪市 前・後 A2     高等学校等による証明書や成績を提出できない理由書での代替可
121 大阪府 前・中・後 A2     高等学校等による証明書での代替可
122 神戸市外国語 前・後       共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
123 兵庫県立(国際商経-経済学・経営学、看護、環境人間) 前・後 A2      
123 兵庫県立(国際商経-グローバルビジネス) B1   ※2次でも利用
123 兵庫県立(工) 前・後         選抜には利用しないが、英語認定試験結果の提出は求める
123 兵庫県立(理)         選抜には利用しないが、英語認定試験結果の提出は求める
123 兵庫県立(社会情報) A2      
124 奈良県立医科 前・後 A2     調査書に英語の言語運用能力を有する旨の簡明な説明が示されていれば代替可
125 和歌山県立医科 前・後 A2      
126 公立鳥取環境 前・後        
127 島根県立(総合政策を除く) 前・後       共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
英検、GTEC、TOEIC、TOEFL iBTのみ活用する
127 島根県立(総合政策)            
128 尾道市立(経済情報) 前・後 A2     高等学校等による証明書での代替可
128 尾道市立(芸術文化) 前・後 A1     高等学校等による証明書での代替可
129 県立広島 前・後        
130 広島市立(国際) 前・後     - ※B2以上で共通テスト英語を満点とみなす
英語認定試験が受験できない場合、理由書等の提出で代替可(この場合加点なし)
130 広島市立(情報科学 前・後     25 英語認定試験が受験できない場合、理由書等の提出で代替可(この場合加点なし)
130 広島市立(芸術) 前・後     20  
131 福山市 前・後     0.6 共通テスト英語の配点に対して左記の割合で点数化、共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
132 下関市 前・中       「共通テスト英語+英語認定試験」と「共通テスト英語」のうち高得点の方を利用
133 山陽小野田市立山口東京理科(工) 前・中 A1      
133 山陽小野田市立山口東京理科(薬) A1    
134 香川県立保健医療(保健医療-看護) 前・後 A1      
134 香川県立保健医療(保健医療-臨床検査)     15  
135 愛媛県立医療技術 前・後 A1      
136 高知県 前・後     50 配点は共通テスト英語200点の場合
137 高知工科 前・後       共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
138 北九州市 前・後        
139 九州歯科         利用(詳細未判明)
140 福岡県立 前・後         利用(詳細未判明)
141 岡女 前・後         利用(詳細未判明)
142 長崎県立(国際社会、経営-国際経営) 前・後 A2    
142 長崎県立(国際社会、経営-国際経営を除く) 前・後 A1    
143 熊本県立(文) 前・後     200 共通テスト英語と比較し高得点の方を利用(B2以上は満点とみなす)
143 熊本県立(総合管理) 前・後     20 共通テスト英語の得点を上限に加点
143 熊本県立(環境共生) 前・後     30 共通テスト英語の得点を上限に加点
144 大分県立看護科学 前・後     40 配点は共通テスト英語160点の場合
145 宮崎県立看護 前・後        
146 宮崎公立 前・後 A1     高等学校等による証明書での代替可
147 沖縄県立看護 前・後 A2      
148 沖縄県立芸術 前・後     ※配点は共通テストの外国語試験の配点の1割

 

2 加点方法を公表している大学の詳細

CEFR別得点:CEFRレベルごとに与えられる得点

No 大学(学部等) 日程 点数化して利用 配点 CEFR別得点 備考
 
C2 C1 B2 B1 A2 A1  
1 北海道教 前・後 40 40 40 40 30 10   共通テスト英語(200~400点)を上限に加点
※共通テスト英語の配点は学科・専攻により異なる
6 北見工業 前・後             ※前期50点、後期40点(未提出は0点)
7 弘前 前・後 40 40 35 30 25 20 10 配点は共通テスト英語200点の場合
10 秋田 前・後             ※配点は英語全体の満点の2割
12 福島 前・後 40 40 40 35 30 25 10 配点は共通テスト英語160点の場合
13 茨城 前・後 50 50 50 50 40 25 10 配点は共通テスト英語250点の場合
14 筑波 前・後 20 20 10 5 0 0 0  
15 宇都宮 前・後 50             配点は共通テスト英語250点の場合
16 群馬 前・後 20 20 20 16 12 8 4 共通テスト英語(200点)を上限に加点
22 東京学芸 前・後 40 40 40 40 30 15 0 配点は共通テスト英語160点の場合
24 東京工業 30             英語認定試験は2次で利用(配点は筆記試験120点、英語認定試験30点)
29 横浜国立(教育) 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 英語の配点全体に対して20%を上限に点数化
29 横浜国立(都市科学-都市社会共生) 前・後 0.2 0.2 0.16 0.1 0.08 0 0 英語の配点全体に対して20%を上限に点数化
30 新潟 前・後 40 40 40 35 30 25 10  
31 長岡技術科学 40 40 40 35 30 25 10  
33 富山 前・後 200 200 200 190 - - - 共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
35 福井(国際地域) 前・後 - - - - - ※C1以上は共通テスト英語を満点とみなす
37 信州(教育-英語教育) 前・後 20 20 20 15 9 6 3  
37 信州(教育-英語教育を除く) 前・後 20 20 20 15 9 6 3  
39 静岡 前・後 50 50 40 32 24 16 8 配点は英語全体の満点250点の場合
42 愛知教育 前・後 40 40 40 40 25 10 0 配点は共通テスト英語250点の場合
43 名古屋工業 前・後 20 20 20 15 10 10 0 配点は共通テスト英語200点の場合
45 三重 前・後 0.1 0.1 0.1 共通テスト英語の成績に外付けで加点
51 大阪教育 前・後             ※英語全体の満点に占める割合を 1~2割程度とし加点する
52 兵庫教育 前・後 50 50 50 40 20 0 0  
57 鳥取(地域) 前・後             ※共通テスト英語の得点に満点の5%程度を上限として加点(共通テスト英語の満点は超えないものとする)
57 鳥取(工、医-生命科学 前・後             ※共通テスト英語の満点の2割程度を上限に点数化
57 鳥取(農-生命環境農、医-保健) 前・後             ※共通テスト英語の満点の1割程度を上限に点数化(農-生命環境農は共通テスト英語の満点は超えないものとする)
60 広島 前・後 - - - - ※B2以上は共通テスト英語を満点とみなす
73 大分 前・後 20 20 20 20 20 10 0  
76 鹿屋体育 40             配点は共通テスト英語160点の場合
83 青森県立保健 前・後 30 30 30 20 10 10 0  
85 宮城 前・後 50             配点は共通テスト英語200点の場合
86 秋田県 前・後 50             配点は、共通テスト英語がシステム科学技術150点、生物資源科学100点の場合
88 秋田公立美術 前・中 50 50 50 40 30 20 10 配点は共通テスト+2次 950点の場合
92 茨城県立医療 前・後 - 20 10 0 配点は共通テスト英語80点の場合
※B2以上は共通テスト英語を満点とみなす
94 群馬県立女子(文) 前・後             ※共通テスト英語の1割程度
94 群馬県立女子(国際コミュ)             ※共通テスト英語の2割程度
109 長野 前・中 40             配点は共通テスト英語160点の場合
112 静岡県 前・中・後             ※共通テスト英語と合わせた英語全体の満点の2割程度とする(看護は共通テスト総点の2割程度)
115 名古屋市立(人文社会-国際文化) 前・後 20 20 20 20 15 10 0 「共通テスト英語(リーディング+リスニング)+英語認定試験」と「共通テスト英語(リーディング+リスニング)」のうち高得点の方を利用
115 名古屋市立(人文社会(国際文化を除く)) 前・後 20 20 20 20 15 10 0 共通テスト英語(リスニング)と比較し高得点の方を利用
115 名古屋市立(経済) 前・後 20 20 20 20 15 10 0 配点は共通テスト英語80点
115 名古屋市立(総合生命理) 30 30 30 30 30 24 0 配点は共通テスト英語120点
115 名古屋市立(芸術工) 前・後 40 40 32 24 16 8 0 配点は共通テスト英語160点
115 名古屋市立(医) 25 25 25 20 15 10 5 共通テスト英語(リスニング)と比較し高得点の方を利用
115 名古屋市立(薬) 10 10 10 10 10 8 0 配点は共通テスト英語90点
115 名古屋市立(看護) 40 40 40 40 40 40 0 配点は共通テスト英語160点
116 三重県立看護 10 10 10 10 10 10 0 配点は共通テスト英語90点の場合
116 三重県立看護 20 20 20 20 20 20 0 配点は共通テスト英語80点の場合
130 広島市立(国際) 前・後 - 20 0 0 ※B2以上で共通テスト英語を満点とみなす

130 広島市立(情報科学 前・後 25 25 25 25 20 10 5  
130 広島市立(芸術) 前・後 20 20 20 20 15 10 5  
131 福山市 前・後 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 1 0 共通テスト英語の配点に対して左記の割合で点数化、共通テスト英語と比較し高得点の方を利用
134 香川県立保健医療(保健医療-臨床検査) 15 15 15 15 10 5 0  
136 高知県 前・後 50             配点は共通テスト英語200点の場合
143 熊本県立(文) 前・後 200 200 200 200 150 共通テスト英語と比較し高得点の方を利用(B2以上は満点とみなす)
143 熊本県立(総合管理) 前・後 20 20 20 20 10 共通テスト英語の得点を上限に加点
143 熊本県立(環境共生) 前・後 30 30 30 30 20 10 共通テスト英語の得点を上限に加点
144 大分県立看護科学 前・後 40 40 40 40 40 40 配点は共通テスト英語160点の場合
148 沖縄県立芸術 前・後             ※配点は共通テストの外国語試験の配点の1割

 

3 利用方法まとめ

内容 個数 %
必須 134 65.4%
提出任意で加点 23 11.2%
提出任意で高得点採用 12 5.9%
やむを得ない場合は理由書を提出する 13 6.3%
学校長の証明書で代替 20 9.8%
利用しない 3 1.5%
  205 100.0%

 

4 参考 成績提供システムを一般試験で利用しない国公立大学・学部

国立 5校

北海道 東北 会津 筑波技術 京都工芸繊維

公立 15校  

公立はこだて未来 岩手県立 神奈川県立保健福祉 新潟県立看護

富山県立 公立小松(国際文化交流を除く) 敦賀市立看護

都留文科(文-英文、文-国際教育を除く) 長野県看護(一般)

長野県立(グローバル、健康発達) 岐阜県立看護

愛知県立芸術(音楽) 奈良県立 岡山県立 新見公立

 

205+20=225件のうち「利用しない」「学校長の証明書」「(共通テスト+検定)と共通テストだけの高得点採用」は12+20+3+20=55件 24.4%

 

5 分析 

  文科省の発表はあくまで「成績提供システム」を何らかの形で利用する大学、つまり「どの学部もどの入試日程でも全く何も使わない大学以外の大学」です。

 発表されている国公立大学148校205件をよく見ると、必須な大学が65.4%、必須に近い「やむを得ない理由」と「出さないと加点ゼロ」を足すと77.6%ですが、残りは検定のスコアがなくても受験することは可能です。

 つまり、文科省の言い方だと「ほとんどの国公立大学は成績提供システムの英語検定に参加」に聞こえますが、それはより多くの受験生に英語検定を受けさせるための「印象操作」ではないかと勘ぐってしまいます。

*なお「利用する」大学に「×」が混じっているのはは、長野県立大学は学部によって使う使わないがある、長野県看護大学は学校推薦型では使用する、が理由です。

 

 スペースの加減で紹介できませんが、私立大学は入試方法が細分化されていて、英語検定を利用する方式は従来からあります。上智や立教のような突っ走っている大学はごく少数で、他は「使える入試方法もあります」(従来型の検定もOK)であり、当然検定なしでも受験可能です。これも「印象操作」と言わざるを得ません。

 そういう私立をかき集めてやっと5割、さらに募集人員ベースで考えれば割合はかならい下がると思われます(調査、お待ちしてます)。

 

まとめ

 

 そうはいっても国公立大学、特に国立大学を第一志望とする現高校二年生は検定を受けていないと選択肢が狭くなることは事実です。

 残念なのは、「家計がしんどいくて都会の私立には行けないから地元の国立」という事情のある生徒が志望する地方国立大学ほど英語検定が必須という点です。

 おそらくそういう大学は財政が苦しく、監督官庁の意向に従うしかないのでしょう。そこでA1(中学卒業レベル)を出願資格にしたり、県内の検定では評価できないC1以上に加点したりと、あの手この手を使っています。

 しかし必須であることは変わりなく、「自らの保身のために受験生と保護者にツケを回している」と言われても仕方がありません。

*なおそうした地域で受験できる検定は2団体で、片方は予約金を取って会場の仮押さえに四苦八苦、もう一社は高校現場に模擬検定を営業したり、高校を検定会場に使おうとしていると聞きます。他にも内容面、採点体制などに疑惑があり、学問の府である国立大学が何も思わないのが不思議です。

 

 ただ国立大学を非難しても埒があきません。

 方針変更して監督官庁に「検定使わないの?( ´_ゝ`)フーン じゃあ4技能はどう測るの?」と迫られたら、

1 入試は選抜。入学してまず必要なのはリーディング。4技能は大学で鍛えます!

2 制度設計に問題あり。不公平感満載でこれを選抜に使えというのが間違ってる!センターが開発したら使います。

3 大学入試は学習指導要領に基づくべきだから、高校の調査書で評価します!

4 4技能、4技能って、検定で4技能が向上するって思ってるの?

(`・ω・´)シャキーン 

と「よその大学教授や高校・予備校の先生、高校生がデモで言ってた」(´・ω・`)と反論してください。