会場は「Cafe&Pub LONDON」の2階レンタルスペースです。
会場に展示されていたのは次の13点です。
航空母艦:赤城 飛龍 瑞鶴 大鳳 ジョージ・ワシントン
戦艦 :大和 武蔵(外に展示) 榛名
航空戦艦:伊勢
製作されたのは「びわ湖モデラーズクラブ」に所属する細江恒夫さん(75)で、元大工さんだそうです。
一部を紹介します。一階の喫茶店もいい雰囲気です。
赤城
元来は巡洋艦として設計されましたが、完成前の1922年にワシントン海軍軍縮条約が締結、主力艦の保有トン数が制限されたので(ワシントン会議はテストに頻出)航空母艦に改造されました(当初は三段甲板。ガミラスの空母?)。
1942年のミッドウェー海戦で急降下爆撃機の攻撃を受けて航行不能となり、雷撃処分されました。
飛龍
ミッドウェー海戦で最初の攻撃を1隻だけ免れ、ヨークタウンを大破させて一矢報いますが、米軍の攻撃を受けて沈没しました。
艦載機を甲板から格納庫に収納するエレベーター部分が上下に動きます。また艦載機(すべて手作り)には小型のモーターが入っていて、プロペラが回ります。通電の仕掛けを実際に見せていただきました。
伊勢
元々は戦艦でしたが、ミッドウェー海戦後に後部に航空機用作業甲板、格納庫、射出機を設け、航空戦艦へと改装されました。レイテ沖海戦では「囮作戦」の瑞鶴を護衛しました。呉で停泊中に米軍の攻撃を受けて大破しました。
*発展:『宇宙戦艦ヤマト』テレビシリーズ2に主力艦の後部甲板を改装した航空戦艦が出てきて、「おお、伊勢だ!」と思った覚えがあります。他にも白色彗星帝国の機動部隊の司令官が「バルゼー」など、太平洋戦争の小ネタが出てきます。
唯一終戦まで生き残った駆逐艦です。魚雷発射管が丁寧に再現されています。
このブログを書くためにレイテ沖海戦について調べ直しました。
太平洋戦争中最大の海戦ですが、すでに航空兵力を損耗し制空権がない日本海軍はアメリカ軍の激しい攻撃を受け、戦艦3(武蔵)、空母4(瑞鶴)、重巡6(鳥海)、軽巡3、駆逐艦9を失い、戦死者は約7,500名を数えました。
この敗北によって連合艦隊は壊滅、以後組織的な抵抗ができなくなります。
生還した伊勢、榛名、青葉も呉で停留中に米軍の攻撃を受けて多数の将兵が戦死しています。
細江さんは鎮魂の思いでこれら模型を作っているそうです。
私の連れ合いの祖父の兄は旧制中学卒業後海軍に入隊し、19歳の時に乗艦が雷撃を受けて戦死したそうです。
すでに終戦から72年、大戦を実体験している人は少なくなりつつあります。私の両親は昭和ヒトケタ生まれで小さい時に散々戦争の話を聞かされました。
だから私が小さい時に軍艦や戦闘機の模型に凝っていた時はいい顔をされませんでした(笑)。
でもそこを入り口にして、戦争について深く掘り下げたことは今も仕事のベースになっています。
月並みですが、色々な方法で戦争や平和について考えること、記憶を継承していくことは必要だと感じました。
「ブログに載せていいですか」というぶしつけなお願いに快く許可を頂き、ありがとうございました。
展示は8月27日(日)まで(木曜定休日)、入場無料です。
ジョージ・ワシントン 数年前まで横須賀を母港にしていた現役の原子力空母です。戦争と平和は過去のことでも他人事でもありません。