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ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

三年生1月 国公立大学に出願する(1 自己採点の見方)

進路指導 高校三年生

 2017年のセンター試験、大雪に見舞われて時間が繰り下げになった会場もありましたが、何とか無事に終了しました。力を存分に発揮することができましたか?

 

*私の近所も積もりました。ぐ○だるま。「さむくてやってらんね~」(受験生さんごめんなさい)。 

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*お礼    金曜から日曜にかけて、センター試験関連の記事にたくさんのアクセスをいただきました。ありがとうございます。少しでもお役に立てたなら光栄です。

 

 月曜日は学校で自己採点です。日曜日の夜にネットで自己採点する人もいるかもしれませんが、疲れているので今日は休んだ方がいいです。

 

 さて明日、目標点に届かなかった人、弱気になってはいけません。また「よっし!」と思った人、自分だけができたとは限りません。

 センター試験は毎年科目ごとの難化や易化が起こります。自己採点の段階で「できなかった」「できた」を判断するのは早計です。自己採点の結果が帰ってくるまでは第一志望貫徹、月曜から二次試験に向けて机に向かいましょう。

 

*発展:私は毎年センター試験に勝手な「命名」をしています(笑)、最近だと2012年は「理系バブル」、2013年は「小林秀雄ショック」などです。

 

 結果が帰ってきたら三者面談をして最終的な出願先を決めます。今回は「願望」ではなく本当に受験する大学を選びます。

 

 業者のデータはよく考えられています。しかし判定の良い大学を受験すれば合格する訳ではありません。また第一志望の判定が悪くても出願する(業界用語で「突っ込む」)場合、「冬から伸びる」など精神論だけでは困ります。

 根拠が合理的でなければ個別試験に向けての準備ができません。担任は合格するための適切な準備を一緒に考えることが仕事です。「出願指導」は進路指導のすべてではありません。

 

 生徒や保護者にとっては「C判定で合格するの?」「データってどう見るの?」と、そもそも自己採点が何かわかりにくいです。

 

  今回は1 自己採点の段取り、2 自己採点データの見方、3 合格のための準備について考え、「Aでも不合格」「Dでも合格」の秘密について迫ります。

 

*高校生は「発展」は読み飛ばして結構です。

 

 

1 自己採点~志望校決定の段取り

 

 大学入試センターは自分が何点取ったか出願前に教えてくれません。また志望大学に合格するには何点必要かも見当が付きません。

 そこで受験産業が実施する自己採点サービスを利用します。

 

二大勢力(五十音順)。

www.keinet.ne.jp

 

 

dn.fine.ne.jp

 

センター試験後の流れはこうです。

  1.  月    自己採点を業者に提出する
  2.  水    自己採点サービスのデータがウェブ上にアップされる
  3.  木    先生向け志望動向報告会が行われる
  4.  木~金  先生たちが「進路検討会議」を行う(しない学校もあり)
  5.  金    自己採点サービス(紙媒体)が生徒に返却される
  6.  金~日  三者面談で国公立大学の出願先を決定する
  7.  月~   願書を出す(前期、後期、中期同時)

補足

2:ウェブで必要事項を入力して閲覧する簡易版と、学校の端末にダウンロードして使用する詳細版があります。

  • 志望大学に対して、どれぐらいのセンター試験の点数を持った生徒が集まってきているか、その中で自分は何番目か。
  • センターの成績とその業者の記述模試の成績を各国公立大学のセンターと二次の配点比率に直し、合格する可能性がどのぐらいか(ドッキング判定)。

 

3:さらに詳しい情報が聞けます。

  • どの学部系統、どの大学が人気か。
  • 志望大学について、どの学力層の生徒が集まってきているか、合格に必要なセンターの点数と二次偏差値はどの程度か。
  • 前期、後期の組み合わせで多いパターンは何か。また第二志望(志望を下げる可能性のある)大学はどこか。

 

*発展 表面上の倍率より、合否に直結しない下位に志願者が多いのか、合否に直結するぎりぎり(ボーダーライン)に人があつまっているかが重要です。前者であれば難易度は前年並み、後者であれば合格最低点が上昇します。「高倍率だ、もうダメ」とか勝手な判断をしないで担任の話を聞きましょう。

 *発展 「とにかく国公立」という生徒のために、国公立を学部系統別、センターの必要点数順に並べた「行けるところ探し」表もあります。


  先生は色々アドバイスしてくれますが、最終的に志望校を決め、準備するのは受験生本人です。

 「第一志望を貫く」なら「逃げ切る」「逆転する」ための根拠や戦略が必要です。「今までこだわってきたから」という理由だけで出願するなら「記念受験」になってしまいます。

 志望変更も同様です。昔私の同僚は自己採点の判定だけ見て、機械的にC判定以上の大学に志望変更させたらことごとく不合格でした。

 二次試験の科目相性、「アナウンス効果」(報告会で「不人気」と言われた大学に受験生が押し寄せる)、ボーダーが低くても「一見さんお断り」など、数字に表れない要素も考慮しなければいけません。

 

*発展:自己採点はあくまで月曜日の「人気投票」です。自己採点後に人気が上昇したり、「隔年現象」といって昨年低倍率の大学に志望が殺到するのは東海・北陸圏でよく発生します。

 「国立至上主義」高校には「全国に目を向けろ」と称してボーダーの低い国立大学を熱心に勧める(「○○はいいところ」と理由は後付け)方がいるそうですが、該当県に住む私は駒扱いされているみたいでイラッとします。私の県はいいところですけどね。

 

 受験は「合格したい」という気持ちのぶつかり合い、あやふやな気持ちで受験に臨めばはじき出されます。判定だけ見て志望校を決めるのではなく、情報を分析し、適切な計画を実行して合格を勝ち取ってください。


*発展:私の学校も「出願指導」で小論文が突如必要になった生徒が多数図書館にやってきます。司書の先生は本を読んだことがない生徒に対しても丁寧にレファレンスしていますが、人間ができていない私だったら入口に「論文手伝いいたしませんby大門」って張り紙してしまいそうです(笑)。もちろんしません。

 

 

2 自己採点の見方と合格可能性

  

a 得点度数分布のイメージ図

 ベネッセのサイトを参考に自作しました(大学名は架空)。本物のサンプルは上記リンクから探してください。

 

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 先頭は「前期は定員20人、センター試験を600点満点に傾斜配点し、二次試験620点との合計で合否判定します。志願者が6倍を越えたら、あふれた人はセンターの点数で自動的に不合格です。去年の倍率は7.7倍です」という意味です。

 その下はセンターの持ち点で志願者を並べたものです。A~Dが合格可能性です。合否に関わる部分では、ベネッセはB60%、C40%。河合塾はC50%です。

 例えばSさんの持ち点が500点とすると、定員20位の中にいて約5点のアドバンテージです。一方Tさんの持ち点が475点とすると、合格するためには23人をごぼう抜き(20点を個別試験で挽回)する必要があります。

 

*追記 1/18 数値が間違っていました! 訂正します。

 

 昨年のデータも見ます。500点取っている生徒はほぼ合格、470~490の間で逆転が起こっています。センターと個別の配点比率が均等な割には逆転があまりないので、個別では差がつきにくい大学といえます。

 Sさんは個別で失敗しなければ合格の可能性が高く、Tさんは逆転を狙える限界にいると判断できます。

 

 ただしこれは自己採点の日の「人気ランキング」であり、今後他大学から「下げて」流入してくる人、逆に「上位校」が本命の生徒もいます。

    またこの表では志望者の個別試験の学力はわかりません。D判定で合格した生徒がいるので先生は「受験生は冬から伸びる、最後まであきらめるな」と励ましてくれますが、それは「上位校」から「2ランク下げた」生徒の可能性もあります。

    この度数分布は、昨年度との難易度比較、チャレンジできる限界、逆転の起こりやすさなど当該大学の傾向を見るのには適しています。

 

 

b 個人票のイメージ図

 河合塾のサイトを参考に自作しました(大学名は架空)。本物のサンプルは上記のリンクから探してください。

 

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 個人票には志望者の中の位置、必要な二次偏差値の最低値(ボーダーライン)が載っています。■が第一志望者、□が総志望者、★が自分の位置の人数です。

 サンプルは「センターの順位は第一志望者の中で定員ちょうど、ボーダーラインよりプラス3点のC判定(河合塾は合格可能性50%)、記述模試の偏差値が72.5、この大学の二次ランクは「00」(70.0がボーダー)、志望者の中では二次力が上位なので個別試験はA判定(80%)、総合でB判定、合格可能性は71%」という意味です。

 

*発展 本物の個人票には教科別の記述力も載っていて、どこを強化したら教えてくれます。また担任のパソコンに入っている「バンザイシステム」には志望者の詳細なデータがあります。独り合点しないで相談しましょう。

 

    個人票を見ると合格するには何点アドバンテージorビハインドか、守りきれるか逆転可能かが判断出来るので、出願及び準備の指標になります。

 

 

まとめ

  1. 自己採点のデータから、月曜時点の当該大学の志望者の中で「私はどの位置にいるか」がわかる。
  2. 判定も大事だが、「定員の中か外か」「ボーダーに対して何点アドバンテージ、ビハインドがあるか」に注目する。
  3. 現在の志望動向だけでなく過去のデータを見て、長期の難易度や逆転可能なラインに注目する。
  4. 実際の出願では生徒の志望動向は変わる可能性もある。
  5. 判定だけ見て早合点せず、担任と一緒に詳細なデータを吟味する。

 

  しかし先ほどのTさんの場合、定員まであと20点、B判定まであと30点です。担任の先生は「記述の成績は10月時点だし現役は冬から伸びる」と励ますでしょうが、残り時間でTさんは本当に他の受験生より20~30点上乗せできるのでしょうか。

 

 生徒の合格可能性を探る別のデータがあります。それは大学が発表している合格者の最高点、最低点、平均点です。(続く)

 

こちら

bunbunshinrosaijki.hatenablog.com

 

*ネットの情報は参考です。担任の先生があなたの情報を一番持っています。相談に乗ってもらいましょう。