ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

今更他人に聞けないセンター試験の基礎知識(出願編)

 9月になりました。受験生の皆さんは夏休みを有意義に過ごせましたか? 

 

 さて受験生は9月中に大学入試センター試験の願書を完成させます。現在学校では先生から説明を受けて、願書を書いたり受験料を振り込んだりしている時期だと思いますが、「センター試験って何?」という人もいるので、今回はセンター試験の出願手続きについて記します。

 

今年は紫色 

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*ネットの情報は参考です。三年生はわからないことがあったら担任や進路指導部の先生に聞きましょう。

*受験案内を読めばわかることは省略します。うっかりポイントを書きます。

 

1 基本編

 

① 「大学入試センター試験」とは?
 高等学校の段階における基礎的な学習の到達度を判定する目的で行われる試験のことです。毎年1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日に全国で一斉に行われます。会場は各都道府県の大学などを使用します。

 

② センター試験の主な特徴

(1)国公立大学を受験する人はマスト。大学個別の試験との総合点で合否が判定

 センター試験は、すべての国公立大学が一次試験として利用する共通試験です。センター試験後、大学ごとの個別試験(二次試験)を受け、両試験の総合得点で合否が判定されます(センター試験を一次カットのみに使う大学もあります)。

 

(2) 私立大学も入学試験として利用できる

 現在ほとんどの私立大学が、自校で作成した問題による試験(一般試験)以外に、センター試験を利用する受験方式を採用しています。センター利用方式は、センター試験の成績のみで合否を判定します。センター併用方式は一般試験とセンター試験を組み合わせて合否を決定します。


(3)入試として課す科目・配点は各大学に任されている

  センター試験で用意されている6教科30科目のうち、受験生にどの教科・科目を課すのか、配点をどうするかについては、すべて各大学の裁量に任されています。

 

教科・科目

 国公立大学の大半は国語、外国語(英語はリスニング含む)、数学①・数学②が必須で、それに加えて文系は地歴・公民から2、理科の基礎科目2を、理系は地歴または公民から1、理科専門科目から2、の計5教科(7or8科目)を課すのが一般的です。

 「アラカルト方式」は任意の教科・科目を点数化することです。例えば神戸市立外国語大学は、英語と国語がマストで数学と理科から1科目、地歴と公民から1科目を点数化します(詳しくは募集要項を参照)。

 

配点

 例えば三重大学の工学部は、二次試験で英語の試験がない代わりにセンター試験の英語の配点を高くするなど教科間の「傾斜配点」を実施しています。また京都大学法学部はセンター試験900点を270点満点を圧縮し、二次試験550点満点との合計で合否判定するなど、難関大学は二次試験重視です。

 

私立大学のセンター利用方式

 一般試験と同じ2~3教科が主流です。難関国立の併願先にあたる私立では5教科を判定に使う方式もあります。配点も均等配点、得意科目重視など様々です。

 

(4) 採点はコンピュータで処理、全問マークセンス方式

 センター試験は、選択肢から正解と思われるものを選び、マークを鉛筆で塗りつぶしていく「マークセンス方式」で実施され、採点はコンピュータによって行われます。


(5) 出題は文部科学省検定済の教科書範囲内

 センター試験の問題は、平均点が6割程度になるような方針で作成されています。教科書範囲を超える難問は出題しない約束です。


(6) 受験生本人には得点を通知されない

 受験生はセンター試験の点数を見てどの大学に出願するかを最終決定しますが、センター試験の得点は本人に通知されません! 「得点開示」を出願時に申し込んでも成績が通知されるのは4月以降、受験が終わった後です。

 そのため受験生は解答を書き留めておき、発表された正解をみて自己採点し、その合計をもとに受験する大学を決めます。

 当然「自分の持ち点」でどの大学に合格しそうかはわかりませんから、受験産業の「自己採点サービス」を利用します(詳しくは別の機会に)。

 

2 出願編

 

センター試験出願の際の基本的な注意事項

 

(1)当日受験教科をすべて申告する

 かつては「3科目以上受験」と申告してあればすべての教科を受験できましたが、現在は何を受験するか出願時に申告する必要があります(下図参照)。

 国公立大学を考えている人は原則5教科フルで、私立専願の人は必要な教科を申請します。

 数学は受験科目数に関係なくA「受験する」×「受験しない」のいずれか選びます。地歴・公民と理科はややこしいので後述します。

 

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受験案内20頁のスクリーンショット大学入試センターのHPに公開されています。

 

www.dnc.ac.jp

 

 

(2)オプション科目が必要なら申告する

 数学②で簿記・会計などを受験する場合(実業高校向け)、外国語で英語以外を選択する場合は申告します。申告した生徒には本冊子に加えて申し込んだ別冊子も準備されます。当日気が変わって本冊子の問題を解答してもかまいません。

 

(3)成績開示通知を希望するかどうか申告する(1の②の(6)参照)

 

(4)受験料を計算して郵便局等で振り込み、領収書を願書に貼る

 3教科以上18,000円、2教科以下12,000円で、開示を希望するとプラス800円必要です。郵便局等で必ず指定の振込用紙を使って窓口で支払い「D振替払込請求書兼受領証」と「E検定料受付証明書」をもらってください。

 ATMを使うとこの2枚に判が押されない=支払いが証明できない=出願受理されない、ので絶対やめてください

 金額を間違うと(特に3教科なのに2教科の料金しか支払わないと)信じられないほど煩雑な訂正手続きがあるのでやめてください。

 保護者が振り込む場合でも「支払人欄」は受験者本人の住所と名前にしてください。保護者の名前で振り込むと大騒動になります。フリガナも必要です。

 支払いを終えたら「E検定料受付証明書」を願書に糊付けします。

 

(5)イヤホンが入るかどうかチェックする

 進路の先生がセンター試験の説明会に参加して、リスニングのイヤホン(耳の穴にぶち込むタイプ)をもらってきます。学校で必ず耳の穴に入るか試してください。

 「全然入らない!」という人は「イヤホン不適合措置申請書」をHPからダウンロードして、必要事項を記入し、お近くのセンター試験参加大学へ志願者本人が出向いて確認のサインをもらい、願書の所定の欄に貼り付けて出願します。当日ヘッドホンを用意してもらえます(最寄り大学が遠方の人は担任に早引きさせてもらいましょう)。

 

(6)ハンディキャップがある人への配慮(受験案内15頁)

 まず進路の先生に相談してください。次に「受験上の配慮案内」に必要な書式があるので、HPからダウンロードまたは郵送で入手し、必要事項を記入し、医師の診断書をつけて学校経由で願書と共に大学入試センターに申請します。審査の上、確認のはがきが帰ってくる頃に「○○の配慮をします」等の審査結果が来ます。

 受験案内の15頁を見ると「視覚障がい」から「トイレが近い」まで多様なハンディキャップに対応できる仕様ですが、不安に感じる方もいると思うので、その場合は「出願前申請」を利用して大学入試センターと相談してください。

 詳しくは先ほどのリンクの「受験上の配慮案内」を参照してください。

 

(7)担任に提出し、チェック後、学校が一括して送付する

 現役生については、校長がその在籍を一括証明して、全員分を学校からまとめて送ります。

    受験案内には封筒が入っていますが、過年度生(浪人生)用です。現役生がこれを使って自分で送る(保護者が気を利かせて送ってしまう)と大騒動に発展しますから、絶対やめてください

 過年度生は学校で調査書など証明書類を発行してもらって、封筒に必要な書類を入れて自分で送ります。

 

追記

 担任に提出する前に志願票のコピー(表裏)をとります。センターはデータを手入力するそうで、入力後に確認はがきを学校へ送ります。コピーと照合して、特に教科の入力ミスがないか確かめます。 

  

 

センター試験出願時の重大な注意事項!!(必読)

 

(1) 地歴と公民は何科目受けるか出願時に申告する

 地歴と公民は「ひとつの教科」として扱い、同じ試験時間帯で実施します。

 1科目受験は60分で解答、2科目受験は130分(10分は回収時間)の中で2科目を解答します。ただし開始60分後に第一解答科目を回収します。

 センター試験の出願時に、地歴・公民については

A「1科目受験」

B「2科目受験」

×「受験しない」

を申告します。この申告を元に受験教室が指定されます(同パターン同教室)。

 このため、2科目受ける人は20分前入室+130分試験と、150分は教室から出られません(トイレ休憩はありません!)。

 したがって2科目受験で申し込みながら、その後志望変更で1科目でよくなったとしても、試験の途中で退出したり、途中から入ることはできません。

 

 国立文系は通常2科目を登録します。地歴と公民はまとめて1教科扱いなので、「2科目受験」と申請しておけば、当日地歴を2つ、地歴と公民を1ずつ、どちらも受験可能です。理系と私立文系は1科目で可です(発展を参照)。

 

*発展 旧課程の時は文系は理科2科目目(理科総合)、理系は公民(現代社会)を「ノー勉」で受けたら「準備した科目より成績が良かった」いう笑えない話がありましたが、今は地歴・公民と理科が2科目ぶち抜き試験となり、1科目しか得点化しない科目で2科目を受験した場合、国立大学の大半が「第1解答科目」を点数化します。「ノー勉作戦」はほぼ成立しなくなりました(公立大学の一部では高得点採用を実施。『栄冠目指してvol.2』等で調べてください)。

 なお私立文系の生徒で、志望大学のセンター利用方式入試が「高得点科目採用」なら、公民が「保険」になることもあります。この場合は地歴・公民を2科目受験した方が得策です。

 

追記 9/24

 教員養成系の理系で「地歴・公民、理科から3」というところがあります。第二解答科目の高得点の方が採用されますので、理系で地歴・公民も理科も2科目受験する可能性があるとすればこのパターンの受験者です。

 ただ、理系は勉強している理科の2科目目の方が勉強してない公民より点数がいいはずなので、理科の2科目目を仕上げた方が得策とも言えます。

 

  

(3) 理科の基礎科目と専門科目の組み合わせを出願時に申告

 最大の注意事項です。2015年度入試から理科は新課程科目になりました。そのため、次のどれかを出願時に申告する必要があります。

A 基礎科目(「物理基礎」のように「基礎」がつく)を2科目(1科目だけ受験は不可)。

B 専門科目(「物理」「化学」など)を1科目

C 基礎科目2科目、専門科目1科目

D 専門科目2科目

× 受験しない

 

 文系はA、理系はDが基本で、たぶんこれでどの大学も受験できるはずです。

 Bは文理相互乗り入れの学部(看護や栄養)か中堅私立理系に狙いを絞っている人向けです。Cのパターンの大学も一部存在します。

 

このサイトが便利

www.toshin.com

 

 つまりセンター試験の出願時(9月下旬)に「どの大学を受験」するかがほぼ決まっていて、必要な科目(地歴・公民と理科は科目数)を申告する必要があります。

 センター試験の願書を書く時に、自分が受験する可能性のあるすべての大学について受験科目を調べ、すべてに当てはまるような科目・科目数の申告をしてください。

 科目調べは河合塾の『栄冠目指してvol.2』などを参考にし、だめ押しで各大学のHPに掲載されている募集要項を確認してください。

 

 

まとめ

 

 現在のシステムでは、センターを出願する時点で「自分がどの大学・学部を受験するのか」、「第一志望が難しいときの押さえはどうするか」がある程度シミュレーションできている必要があります。

 センター試験の出願準備を通じて「覚悟」を決めましょう。

  

*注意 各学校でセンター試験について考え方が違いますので、受験生は必ず担任と進路指導部の指導に従ってください。

 

出願したらこちら

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