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ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

三年生9月 志望理由書の書き方について(2 興味・研究・将来を掘り出す)

面接小論文 高校三年生

 前回の「私は○が好きです」はうまく書けましたか?

 

その1はこちら 

三年生9月 志望理由書の書き方について考える(その1 トレーニング編) - ぶんぶんの進路歳時記

これを読んだらその3へ

三年生9月 志望理由書の書き方について考える(その3 ストーリーを建てる) - ぶんぶんの進路歳時記

 

 現代文や英語で「パラグラフ・リーディング」という概念を習ったと思います。段落の冒頭にその段落で言いたいことを抽象的に述べられていて、その後に具体例が書かれているというものです。これが文章を書く場合の基本的な「型」です。

 あらゆるものは基本的な「型」とその「組み合わせ」でできています。志望理由書には総体としての「型」が、それぞれのパラグラフにも「型」があります。

 

 ただし、重要なのはその「型」に入れるパーツ、つまり「この大学・学部にどうしても行きたい」を証明する具体例です。

 生徒の志望理由書を見ると、志望動機は「小さい頃けがをして看護師さんに親切にしてもらった」「部活をしていて栄養は大事だと思った」から話が前に進みませんし、大学でしたいことはHPのコピペしただけというのが大半です。

 

 第2回は志望理由書を書く時に必要な「具体的なパーツ」、志望動機、興味・関心、志望大学の研究内容を、できるだけたくさん書き出していくトレーニングをします。

 

*前回同様NHKEテレ 『テストの花道』の番組および書籍を参考にしています(一部アレンジをしています)。

 

追記 こちらも参考にしています

NHK テストの花道 - 過去の放送 -「AO・推薦入試対策シリーズ(1)“顔が見える”志望理由書」

 

 

活動1

  1. あなたが「興味を持った学問」「なりたい職業」などを整理しましょう。
  2. 志望理由を書くためのキーワードを「トーナメント表」へランダムに書き出しましょう。
  3. キーワードの考え方は2つ。まずは「入り口」。例えば「好きな教科」…英語、物理など。「興味のあること」…人の心、自動車など。「学びたい学問」…文学、生物学など。
  4. もう一つは「出口」。例えば「なりたい仕事」…CA、医師。「こんなものを作ってみたい」…DVを防ぐ法律、がんを抑制する薬。「社会に貢献したいこと」…子どもに勉強の楽しさを知ってほしい、高齢者が楽しく暮らせる社会を作る、などです
  5. キーワードをトーナメントで戦わせて、勝ち残りを決めてください。
  6. 勝ち残ったキーワードについて「マンダラート」を完成させましょう。手順は前回と同じ。真ん中の3×3のマス→その周りの8つの3×3のマス。
  7. 1周目の基本は「5W1H」。たとえば「教員」ならwhat…「養護教諭」、「授業」、why…「○○先生がかっこいい」、「子どもが好き」です。「生物学」なら「動物」、「バイオテクノロジー」、「昆虫採集が好き」というように、思いつく内容、具体的な職種、気に入ったきっかけなどを書いていきましょう。
  8. 2周目は、「教員」→「養護教諭」→「医学的知識」というように「必要とされる力」、「大学で学んでおきたいこと」、学問からスタートなら「生物」→「バイオテクノロジー」→「美味しい米作り」のような「できること」なども書いていきましょう。
  9. 知り合いにやってもらいました。

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 日本ハムファイターズ大谷翔平選手が花巻東時代に佐々木監督の指導で作成した「(人生)目標達成シート」も、この「マンダラート」です。真ん中に目標があり、そのためにすることがまわりに書かれています。

 

大谷翔平 マンダラート」で検索すると、現物や記事が出てきます。私も佐々木監督のインタビュー番組を見て「同じことしているんだ!」と驚いた覚えがあります。

cocoacana.com

 

活動2

  1. 次に、自分が進学したい大学を書き出し、トーナメント表で1つに絞りましょう。
  2. 「マンダラート」の真ん中3×3のマスの中心に「○○大学(○○学部)」と書いて、同じ手順で「マンダラート」を完成させましょう。
  3. 大学の内容はオープンキャンパスで聞いてきたこと、大学の入学案内、HPを参考にしましょう。入学案内には大学学部の授業や研究内容、特徴、取れる資格や卒業生の就職先などが載っています。
  4. 1周目は5W1Hで考えましょう。What:法学部なら「民法」、「法科大学院」「公務員コース」、where:立地や設備、how:少人数教育、担任制、ゼミ
  5. 2周目はhow中心で。同志社大学法学部→刑法→授業の内容、立命館大学文学部→京都にある→お寺がいっぱいある。関西大学商学部→就職に強い→○○銀行。
  6. 両方の「マンダラート」で書き出した言葉を、色ペンを使ってカテゴリー別に分類しましょう。欄外の①②③…というところに何色がどういうタイトルか書きましょう。
  7. 知り合いにやってもらいました。

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 こうして書き出していくと、例えば医療系の場合、最初は「何となく」と思っていたのが「医療のこういうところに興味がある」と自分の関心が掘り下げられていきます。

 さらに、「ここがよくわからないからもう少し調べてみよう」と自主的に動きたくなってきます。この「興味」と「自主性」が、心に落ちる志望理由書を書く鍵です。

 「マンダラート」で「ひょっとしたらここが私の志望に直結するところ?」というキーワードに出会ったら、さらにそのことについて調べていきましょう。

 

*発展:「マンダラート」よりアナログな繋がり方をするのが「マインドマップ」です。気になった学問から枝を広げていくように関連する言葉を調べましょう。

 

mindmap.ainest.com

 

まとめ

 

 志望理由書では「どうしてその学問?」、「他にも大学があるけどなぜこの大学?」が問われます。「推薦で合格したい」→「合格しやすい学部を探す」→「その学部の志望動機を考える」という生徒が少なからず存在しますが、そのパラダイムから脱却しない限り、どんなに先生から有益なアドバイスをもらっても、断片的な知識をコラージュしただけの志望理由書しか書けません。

 

 今回の作業で、自分のしたいことについて「なぜ?」「具体的に何を?」「それを使って将来何をしたい?」を、大学について「その学問は何?」「それで何ができる?」を興味を持って掘り下げていくと、二つのことが見えてきます。

 ひとつは私の「過去」「現在」「未来」のつながりです。もうひとつは「自分のしたいこと」と「大学での学び」のつながりです。

 この二つのつながりが志望理由書の根幹になります。

 

 次回はこの2つの「マンダラート」を志望理由書の「型」の中に落とし込んで、志望理由書を完成させます。