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ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

センター試験 世界史Bの傾向と対策(1 出題パターン用語編)

世界史

 夏休みになりました。受験生の皆さんは三者面談で第一希望が決まり、「センターで何割、個別試験で何割取るにはどこを強化するか」について目標を立て、あとは計画を立てて勉強するだけですよね、きっと。

 

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 さて、今回からは大学入試センター試験の世界史で試される力を過去問を著作権法の範囲で引用(出典を明記、考察が主で引用が従)しながら考え、具体的にどのようなトレーニングが必要かを考えます。

 過去問の解答例の検討は他のサイトの方が充実しているので、私は「受験生がセンター試験に向けてどのような勉強をするか」に着目したいと思います。

 

著作権についてはこちら

入試問題と著作権 - 過去問題集等二次利用の著作権|日本著作権教育研究会

 

 センター試験の問題は大学入試センターが発表したものを使用しています。

(3年分が掲載されるので2013年より前のものはリンク切れです)

www.dnc.ac.jp

 

 

世界史の出題パターン

 

 私立大学の世界史の入試問題の大問は次の3つのパターンです。

1)「主権国家体制の成立」のように単元や節ごとの出題。高校の定期テスト風。

2)「フランスの歴史」のような各国史、地域史。教科書横断的に事項を問う。

3)「金融の歴史」のようにトピックに沿って各地域、各時代の事項を問う。

 一般的に1)は点を取らせる問題です(難問が混じることはある)、2)と3)は教科書の事項を「つまみ食い」的に出題して、単元別にしか勉強していない生徒や教科書を完成させていない(特に現代史)生徒をふるい落とす作戦です。

 

 一方センター試験の世界史は大問4つすべて「世界史における帝国」のように3)のタイプです。ただ実際にはリード文のテーマと関係ないところにも線が引かれているので、テーマ史とも言い難い、あらゆる範囲のことが雑然と出題される形式です。

 世界史の勉強は通常教科書を読み、サブノートに穴埋めして教科書の順番で内容を記憶します。つまり先に「いつのどこ」という縛りがあり、「そこで何があった」という覚え方をします。

 しかしセンター試験では事項が時代・地域関係なくシャッフルで出題されるので、「事項」に対して「いつ、どこの時代のこと」がパッと思い浮かぶ必要があります。

  したがって教科書の順に勉強しているだけではセンターの世界史は解答できません。定期テストは解けるのに模試はさっぱりな人はこの「逆方向から記憶を引き出す」トレーニングをしていないからです。

 

 

センター試験の出題パターン詳細

 

 私はセンター試験の出題パターンを6つに分類しています。

1 トピック問題:事項の内容や誰が何をしたかを単発で問う

2 ヨコ整理問題:一定地域や人物の複数の出来事・業績の正誤判別

3 タテ整理問題:一定のテーマについて時代をまたいで正誤判別

4 年号問題:何世紀の出来事かを問う

5 整序問題:事項を時系列に並べ替える

6 地図・資料問題:都市・王朝の位置と内容の正しい組み合わせ

 

以下出題の具体例とトレーニング方法について検討します。

 

 

1 トピック問題

例1 2016年

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ポイント

 全く違う時代の人物が並んでいて、事項と人名が一致しているかを判断します。

 センター試験で正解を得るためには時系列に関係なく人名を見た瞬間に「いつのどこの人で何をした」かが、事項を見た瞬間に「内容が何で、いつどこの誰が関わった」が脊髄反射的に思い浮かぶことが求められます。

 この場合「則天武后」と言われた瞬間に「国号を周とした」が出なければいけません。また「社会主義者鎮圧法」からすぐ「ビスマルクが制定」「これを更新しないと言ったヴィルヘルム2世とビスマルクが対立した」が思い浮かばなければいけません。


トレーニング方法

 まず『スピードマスター』で単元の時系列が言えるか復習します。次に用語問題集の用語の方を見て文章部分の「いつ・どこ・誰・何」を言えるかどうかトレーニングします。『スピードマスター』では言えるのに、用語を見て内容が言えないのは知識があやふやな証拠です。チェックを入れて教科書やサブノートに戻ります。

 ただ用語集は単元別です。次に教科書の索引の人名や事項をみて内容がパッと思い浮かぶかどうかチェックします。索引は時系列ではないので、ばらばらに聞かれても用語が説明できれば合格です。言えなければ教科書に戻ります。

 私は補習で「国王、皇帝のしたこと」「王朝の判別」プリントを渡して、名前から事項が言えるかトレーニングしてもらいます。

*その一部を紹介します。

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2 ヨコ整理問題

例2 2016年  ピョートル1世について

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ポイント

 武帝カール大帝、ピョートル1世が行ったことの中に、似た人(始皇帝、オットー1世、エカチェリーナ2世)がしたことを紛れ込ませて正誤の判定をさせます。

 法顕、玄奘、義浄の判別、ゲルマン部族の誰どこ、東南アジアや西アジアで「○○では△△王朝が…」、「○○では△△率いる民族運動が…」など時代・地域・出来事・人名の正誤を判定させるものも「ヨコ整理」問題です。

 出題者としては事項をすり替えれば問題が簡単にできる一方、受験生にとっては紛らわしいものを正確に判別する必要がある難しい問題です。

 

トレーニング方法

 資料集ではこうした紛らわしい「ヨコ整理」ものは表や地図になっています。「紛らわしい」と思ったこと、模試で間違ったところは間違いノートに書き出しましょう。自分で表を作る時間がない人は、資料集の「ヨコ整理」部分を隙間時間に見直すのも効果的です。

 こちらの「間違いノート」の例を参考にしてください

三年生五月 模擬試験は受験するのではなくて活用する(その2) - ぶんぶんの進路歳時記

 山川出版社の『詳説世界史学習ノート 上下』は完全穴埋め式(解説や演習問題がない)なのでこれ一冊で完成とはいきませんが、欄外に地図、ヨコ整理、タテ整理が載っているのでセンター試験対策に有効です。

 

 

3 タテ整理問題

例3の1 2016年  儒教について

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例3の2 2011年

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ポイント

 タテ整理は、ローマ皇帝オスマン帝国のスルタンの業績のような単元内の整理、例3の1のような儒教遊牧民公会議ローマ教皇など複数単元をまたぐテーマの整理、税制や軍制など全地域・時代の整理の3つに大別できます。特に例3の2のように古代から戦後史までを問う出題は、戦後史まで手が回らない現役生泣かせです。

 特に十字軍、選挙法改正、中東戦争など「第x回」をすり替える問題はセンター、私立で頻繁に出題されます。 

トレーニング方法

 模擬試験の解答・解説にこうした一覧が載っています。切り取って間違いノートに貼り付けると効果的です。また資料集にもテーマぶち抜き表があります。

 受験生泣かせなのが、中国の各王朝と遊牧民や周辺地域との関係です。教科書や資料集では単元別に掲載されていますが、入試では「唐の時代には○○が…」「明の時代には…」と聞かれます。私は各ページに載っている中国と周辺の関係図をコピーして一カ所にまとめて比較するように指導しています。

 知識を定着させるには市販のテーマ史問題集をやりましょう。旺文社のテーマ史や代ゼミの『フロンティア世界史』が使いやすいです。

 私は各国史、文化・宗教史、経済史などのテーマ史プリントを各種揃えています。時系列で勉強した後、テーマ別で問われても答えられるようになれば、センター試験8割は目前です。

*こんな感じです(ごく一部)。

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後半は受験生が嫌いな年号問題についてです(続く)。

 

こちら

bunbunshinrosaijki.hatenablog.com