ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

三年生7月 夏休みの過ごし方について考える(その1)

1 夏休みは自分との勝負

 

 高校生活最後の夏休みが目前です。すでに気持ちを切り替えて、本格的な受験勉強をスタートしている生徒さんがほとんど…のはずですよね。きっと。

 

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 2学期になるとセンター試験の出願や推薦入試の準備が入ってきて、土日は毎週のように模擬試験です。自分の弱点を補強したり、得意科目を伸ばしたりと、第一志望合格のためにまとまった勉強ができるのは夏休みが最後の機会です。

 

 さて受験勉強を始めたものの、「模擬試験でE判定ばかり」「どこから手をつけたらいいかわからない」「この後3月まで延々と勉強が続くのか…」と、すでに勉強に嫌気がさしている人はいませんか?

 成績が上がらない→勉強が面白くない→やる気が出ない→成績が上がらない、という負のスパイラルに陥ると、何も完成しないまま夏休みは終わってしまいます。

 

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 「文武両道」とは聞こえがいいですが、もし勉強が嫌いで部活に逃げ込んでいたのであれば(そんな人いないと願いますが)、部活が終わっても勉強は嫌いなままですから集中できません。空いた時間にはメールやゲームなど別の「勉強から逃れるためのもの」が入ってしまいます。

 そういう状態で9月を迎えると、「早くこの嫌な状態から逃れたい」という気持ちが働き、「推薦で早く決めたい」とか「受験科目が少ない大学にしよう」とか、楽な話に気が向くようになります。

 

 *私は推薦入試を否定していません。学校生活をちゃんと送って、学校長から「推薦しましょう」と言われた生徒は受験してください。勉強したくない生徒が推薦入試を科目が少なくて早く進路が決まる楽な手段と考えることは見当違いです。なお推薦で早く合格が決まった生徒はそこで勉強を終わりにせず残りの学校生活を読書や語学に使ってください。

 

 大学も企業も「頭の良い生徒」ではなく、困難に直面しても辛抱しながら手がかりを見つけて突破することができる「我慢強い生徒」を求めています。

 

www.meti.go.jp

 

 最先端の研究や教育を目指す「難関大学」の入試問題は「勉強に対する姿勢がよい人」が高得点をとれるようになっています。勉強の姿勢が問われています。夏休みを前に自分の「楽をしたい気持ち」に打ち克ちましょう!

詳しくはここの中盤

世界史の学習方法について考える(受験編その1 どこから手をつける?) - ぶんぶんの進路歳時記

 

2 成績UPする、勉強の楽しさを追求する夏休み生活

  • 午前・午後・夜と学校と同じ規則正しいリズムで学習しましょう。起きる時間、寝る時間、勉強時間がアバウトなのは成績低下の元凶です。
  • 第一志望の過去問を解いてみて受験科目や傾向を分析し、優先順位をつけて計画的に学習しましょう。難関国立文系なら英文の精密な和訳、数学はその大学が必ず出してくる分野の実力アップなど、時間がかかることを夏休みにします。
  • 苦手つぶしと得意づくりはこの夏がラストチャンス。苦手は基礎から、得意は演習と(「なんで私が…」の塾の言説は正しいです)模試の成績などを参考に自分の現状を正しく分析しましょう。
  • 「○○時間勉強する」ではなく「○○を完成させる」など理解度アップを目標にしましょう。
  • 息抜き、休養はしっかり。メリハリつけて心も体もコンディション維持しましょう。
  • ネット、スマホは時間を決めてつきあいましょう。とある予備校は生徒が自主的にスマホを事務室に預けに来るそうです。
  • 長い夏休みですが、短期の目標は設定しましょう。センター重視の人は8月の全統マーク模試と9月のベネッセマーク、難関大学志望者は夏休み終盤のオープン模試や休み明けの全統記述模試がターゲットです。

 

 私は多くの受験生を大学に送り出しましたが、第一志望に進学できない人の類型のひとつに「受験はファッション」というのがあります。

 例えば三年間をほとんど部活に費やし、三年生の2学期から勉強しはじめ「受験生気分を味わっている」うちに3月が来てしまう人です。予備校の難しい講座に参加したり難しい問題集を持っているだけで満足している人、自習室に行くけど時間だけ費やしている人、合格はかなり難しいのに「私は最難関大学しか受験しない!」と公言して心のバランスを保っている人もそうです。

 

 受験の楽しさは、自分の強みと弱みに向き合って、地味に努力することを通じて新しい知識や技能を得て、今までできなかったことができるようになる楽しさです。言い換えれば自分の成長を実感することです。

 

 つまらないプライドに拘泥する自分を変えるラストチャンスも夏休みだと思います。

 

 次回は夏休みの時間の管理について考えます。