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ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

新年度に向けて 卒業生の話から「縦の繋がり」について考える(その2)

 「縦の繋がり」を作るための卒業生の合格体験談は、担任が卒業生に一対一でインタビューする形(公開面談)で行われています。後半です。

 

 

三重大学 教育学部

 

Q:一年生の時には部活もがんばり成績もよかったが、2年生の時にしんどかった。どうやって乗り切った?

A:一緒に勉強をする友だちがいて、彼が難関大学を狙っていたので、負けられないと思って勉強しました。

 

Q:部活をしながら勉強を維持したコツは?

A:2年10月の修学旅行が終わってから少しギアを上げて、3年7月に部活を引退してさらにギアを上げました。部活が終わってから毎日塾へ行き勉強をしました。塾の講座をひとつ受講する度に学生手帳(注:スケジュール、今日やった勉強、to doリスト、毎日の学習時間が記録できる)に☆のマークをつけました。

 

Q:教師を目指したきっかけは?

A:中学の時の先生の影響で教師になりたいと思いました。生徒に学校を楽しいと思ってもらえる先生になりたいです。

 

Q:苦手教科の克服法と得意教科の伸ばし方は?

A:英語が苦手だったので単語をまずやり、その後音読をすると成績が上がりました。得意な数学は予習をしてその日やる内容が分かった状態で授業を受けると頭に残ります。

 

Q:模試の判定やセンターリサーチでは合格確実だった。ところが第一志望の専攻は不合格で第二志望にスライド合格になった。

A:センター試験、一日目はまずまずの手応えでしたが、二日目の数ⅠAで思ったような点が取れず、それを後の科目に引きずってしまいました。模試の時から「これが本番だ」と思って緊張して臨んでほしいです。また理系は志望大学に合格するためには英語が鍵を握ります。

 

中央大学 商学部

Q:勉強と部活動の両立で注意したことは? また切り替えの時に注意したことは?

A:家に帰ってから寝るまで4時間あったので。その時間を有効に使いました。2年生の秋ぐらいから受験のことを考えました。3年生だから受験生ではなく、受験のことを考え始めたら受験生です。

 

Q:日本史が得意だったが、勉強法は?

A:日本史はまず丸暗記から始めました。丸暗記できるようになると興味が出てきて、さらに知りたくなります。特に文化や偉人の生涯は分かると面白いです。また勉強を進めていくと自分の無知を知ることができます。最初はノートに書いて勉強していたが、読んで理解した方が効果的です。学校で購入する問題集は、宿題として提出した後でもう一度答えを見ずに口頭で設問に答えられるかチェックします。その後関連事項を広げていきます。

 

Q:夏までは神戸大学の経済学部を考えていたが、中央大学に志望変更した理由は?

A:勉強する中で自分のしたいこと(公認会計士)が見えてきて、それについて調べると今の進学先の方がよいことが分かりました。

 

Q:私立大学を目指す上で注意することは?

A:私立だと国語が難しい。また英語も単語や長文だけでは通じないし、日本史も暗記が前提で考えさせる問題が出題されます。

 

Q:後輩に対してメッセージをお願いします。

A:やると決めたことには時間と労力とお金を惜しまないことです。

 

 

奈良女子大学 生活科学部

 

Q:志望校を決めたきっかけは?

A:1年の夏にオープンキャンパスに参加して一目惚れしました。建築系に行きたかったのですが、別の大学と比べてみた方がいいと担任に勧められて他の大学も見学に行きました。行ってみて、やはり奈良女子大学に行きたいという思いが強くなりました。

 

Q:勉強で心がけたことは?

A:授業はノートを取ることよりも聞くことを中心にしました。英語は予習を授業2回分準備して、授業では予習で分からなかったことを聞くようにしました。数学は、授業で話を聞いたあと自分でやってみて、理解できるまで考えました。その上で分からないことは先生に質問しました。

 

Q:コンスタントに勉強するための工夫は?

A:私は学校から帰って家事をしなければならなくて、5時から9時に終わらせて12時まで勉強しました。段取りをして時間を有効活用するのが楽しかったです。

 

Q:効果的だった勉強法は?

A:「わからないことノート」を作って、小さなノートに分からなかったことをその都度つけて常に見直しました。化学が苦手でしたが、この方法で克服しました。

 

Q:併願の私立に不合格でした。どのような気持ちで国立の入試に臨みましたか?

A:奈良女子大学に絶対合格するという強い気持ちで臨みました。

 

 

神戸市外国語大学 外国語学

 

Q:志望校を決めたきっかけは?

A:2年生の時にオープンキャンパスに行って、小さいけど頑張っている感じが伝わりました。

 

Q:途中で第一志望を大阪大学国語学部に変えましたが、そうなると数学や倫理・政治経済が必要になります。どうしましたか?

A:数学は、自分は何ができていないかを整理したら、公式が分かっていないことに気がつきました。政治経済は公民の先生に相談しました。

 

Q:英語が得意教科でしたが、普段の勉強はどうしましたか? またその大学の英語の試験はかなり難しいですが、入試対策はどうしましたか?

A:授業の予習を重視しました。入試対策は、英作文はセンターが終わった後に添削をしてもらいました。リスニングはCD付きの教材を買ってシャドウイングをしました。

 

 

志望大学に合格した卒業生の話を伺うと共通点があります。

・部活をやっている時から勉強する習慣と習慣化しやすいサイクルを構築する。

・授業を「受ける」のではなく「活用する」。

・得意科目、不得意科目ごとに自分にあった学習方法を確立する。

・やりたいことと自分の学力を適切に判断して志望大学や学部を選び、合格に向けて適切な手順で準備する。

・自分が選んだことに対してこだわりや誇りを持つ。

また今回は話しづらいであろう失敗談もしっかり話してもらえました。

・受験勉強の始動は早めにする。

・3年生になってから受験科目が増える志望変更をするのはリスクを伴う。

・文系は数学、理系は英語のように文系・理系の「飯の種」(文系なら国英 理系なら数理)以外の教科で差がつく場合がある。

・模擬試験や併願校の受験には本蕃のような緊張感で臨む。

 

 今回は司会も卒業生が行い、いつ頃どんな気持ちで勉強に向かったについて話をしていただきました。また成功談だけではなく失敗談も後輩に向けて語って頂きました。卒業生の皆さん、ご協力ありがとうございました。

 

 最後に、私たち教職員も「何人合格した」ではなく「誰がどういうことをしたから○○大学に合格した」ということを引き継がなければなりません。

    私が担任した1年上の学年が予想以上に国公立大学の合格者が出て、校長は色々なところで「○○人合格した」と喜んで各方面で喋りまくる一方、総括は「進路主任の指導力だ」「出願指導がよかったからだ」「部活を最後まで続けたからだ」と印象ばかりでした。

    同じ進路指導部の体制で翌年に私の学年が合格者数を減らしたら、校長は「なんでこんなに減ったのか検証すべきだ」と強い口調でした。

    それは管理職を筆頭に数字だけ見て浮かれ、検証をしていなかったからです。新旧三年生担任の引き継ぎでも、正直なところ進路や旧三年生担任から有益な情報はありませんでした。これは意地悪(笑)ではなくて、当事者も予想外のことだったからだと思います。しかしそれは組織としてはおかしいです。

 

 私は世界史を担当しているので毎年三年生を受け持ちます。生徒ひとりひとりが持つ生活背景や課題に寄り添い、共に受験の準備をします。後期まで粘って遠方の国立大学に合格したとしても「あの時こうしていれば第一志望に合格できたのでは」と毎年悔やみます。

    ところがそんな思いやプロセスは引き継がれず、「○○人合格」「○○点でも△△大学は合格できるから突っ込ませろ」という空虚な数字だけが一人歩きします。

 

 生徒の「やり方」と「あり方」を引き継ぐ取り組みは私のこの個人的な腹立たしさから(笑)始まりましたが、今では若い先生たちが知恵を出して、より効果的な方法に取り組んでいます。「縦の繋がり」は生徒だけでなく学校全体の力を高めるものであると信じたいです。