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ぶんぶんの進路歳時記

学習方法、進路選択、世界史の話題について綴ります

「最後まであきらめるな」について考えるその2

 「最後まであきらめない」メンタル育成を1「目標設定」、2「取り組み」、3「目標設定前にしておくこと」、4「だめ押し」に分けて考えます。

 

 まず「目標設定」です。

    国立至上主義の進学校には「上を目指せ」と難関国立を志望させ(合格のための方法も教えてほしいです)、センター試験後に地元や遠方の国立をすすめる「2ランク下げ」というモデルがあります。

    最初に低い目標をたてると勉強に甘さが出てしまうからで、実際にこの方法で「数字」は出ます。しかし生徒の何人かは「挫折感」を抱えて二次試験を受けることになります。プライドの高い生徒は無理して難関大学を受験するが不合格、私立に合格すると後期は放棄する、ということもあり得ます。

 

 自分の現在の実力から0.5~1ランク上、「つま先立ちすれば手が届く」志望校が適正で、「1ランク下げ」まではたいていの生徒は納得します。

    適正な志望校を知るには、その生徒の1,2年生時の校内実力テストの得点でこれまでの卒業生がどこに合格したか、というデータが最も信頼できます。校外テストならベネッセの「合格ライン」という冊子が親切で、自分の現在の立ち位置が一目瞭然です。

 

 目に見える数字以外に、その生徒の普段の生活や学習の態度をどれだけ担任が把握しているかも重要です。成績が伸びる生徒は概して普段から我慢強いです。そういう変数を数字に掛け合わせて、納得できる志望校を一緒に探します。

    先生の多くが「塾の言うことばかり聞く」と嘆きますが、数字だけなら毎年受験生の相手をしている塾の方が豊富です(担任はせいぜい3年に1回)。塾が見ていないデータの把握こそ担任の腕の見せ所です。こうして手が届きそうな目標を設定すればあきらめずに努力できます。

 

 次に日々の「取り組み」です。

    あきらめない学習習慣をつけるには「毎日続けられる適量のルーティン」と「目に見える折々の小さな成果」です。「計画がこなせたらうれしい→うれしいから続ける→続けると成果が出る→うれしいから計画をこなす…」という「プラスの循環」を作ります。

    目標設定を間違えて「難関大学の問題をするが全くできない」は「できないからやりたくない」という「マイナスの循環」を作ります。

 まずは最も適切な難易度で行われる授業からこの循環を作ります。予習と復習をこなし、定期考査で「あ、そこまで聞かれるのか」と気づいて「次はもう少し掘り下げたところまで覚える」という循環を作って、より難易度の高い模擬試験などに応用します。

 

 あきらめ心を生むのは苦手科目です。得意→苦手→得意とサンドイッチで勉強する、勉強の最初は英単語の復習など簡単なものから始める、などいい気分で苦手科目に向かう工夫も必要です。センター試験7割前後が合格ラインの国立なら「苦手科目は基本を押さえて平均点キープ、得意教科で挽回する」という戦略も立てられます。

    「自己愛」を満たすだけの志望(妄想)ではなく、自分に向き合って決めた志望校なら計画も立てやすいし我慢すれば結果も見えてきます。

 

 3つめ「目標設定前にしておくこと」は、まずは「体力」です。これがないと根気が続きません。

    次に「成功体験の予行」です。部活動は「我慢の量が多いほど結果が出たときの喜びが多い」ことを実感できます。

 それから「不安の解消」です。友人や家族との関係、将来への不安が脳の「ワーキングメモリ」を支配すると、勉強に向き合えません。自分の不安と向き合って、解消できるものは解消し、今すぐ解消できないものは当面はそれと「付き合い」ながら信頼できる人に相談するなどしてストレスを軽減するのが現実的な選択肢です。

 そして「信じるもの」を作っておくことです。

    それは得意科目や信頼できる指導者です。得意科目があれば大崩れしません。いい先生に出会えば「△△大学合格にはここがポイント」という的確なアドバイスを信じて勉強できます。

    国公立の後期は教科の試験は1科目程度、小論文や面接というところが大半です。早い段階で後期の受験先がイメージできていて、普段の授業から「要約」を意識して行っていれば、モチベーションに欠ける「行けるところが第一志望」組には負けないという確信が生まれ、後期の準備に身が入ります。

 

 最後の「だめ押し」は、まずは「こだわり」です。先輩の合格体験記や大学のパンフレットを見て「私は4月に絶対ここにいる」と心に誓います。

 もうひとつは「視点のチェンジ」です。私が苦しいときは他の人も苦しいはずです。また入試の倍率はせいぜい3倍~4倍、就職するときは1名の内定を何千人で争うのに比べればかわいらしいものです。それに受験は「足し算」、いくら倍率が高くても上から何人に入ればいい、その大学の昨年の合格平均点を取ることを目標にします。

 

 「最後まであきらめない」はいかに受験生が「自分と向き合えるか」、また教員が「生徒と向き合えるか」にかかっています。

    三月入試は目前です。ここであげたことのうち、適切なルーティンでやったらできると実感することや、よい指導者を見つけて一緒に努力することは今からでも可能です。

 受験は一生でそう何度も経験するものではありません。悔いのない三月を送ってください。